元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

練習が急きょ公開に 柴崎岳と森保監督に特別な絆を感じた

公開日: 更新日:

6月22日・土曜日

 2019年コパ・アメリカ(ブラジル)1次リーグも佳境に突入。A組はブラジルが1位通過し、2位がベネズエラ、3位がペルーに決まった。そのペルーは勝ち点4・得失点差-3。日本が24日のエクアドル戦(ベロオリゾンテ)に勝って3位になれば、彼らを上回って8強に滑り込む可能性が高まった。その場合、27日の準々決勝はブラジル対日本というカードになる。森保ジャパンは王国への挑戦権を手にできるのか。再びポルトアレグレの地に戻れるのか。非常に興味深い展開になってきた。

 ◇  ◇  ◇

 ベロオリゾンテ入りして2日後の22日。日本代表の練習は郊外にあるクルゼイロの育成センターで行われた。セントロからは車で約30分の距離。移動途中には「パンプーリャ」という美しい人造湖の湖畔を通過する。

 モダニズム建築と周囲の自然が調和した「パンプーリャの近代建築群」は世界遺産にも登録されているが、ドライバーは「湖底はゴミだらけで悪臭がすごい」と顔をしかめる。確かに窓を開けるとその通りで残念な気持ちになった。発展途上のブラジルにおけるエコ意識はまだ低いようだ。

 湖を抜けた北側にあるクルセイロの育成センターは美しく整備された天然芝ピッチとモダンなクラブハウスが揃う素晴らしい施設。さすがはブラジル屈指の名門クラブだと感心させられた。Jリーグではトップチームでも、ここまで恵まれた施設を使っているところはほぼない。「ブラジルではピッチ内外でサッカー文化が根付いている」と日本代表の森保一監督も語っていたが、その一端がこの環境から感じ取れた。

 練習は非公開の予定だったが、現地在住日本人との交流が急きょ行われたため公開に。だが、2日前のウルグアイ戦(ポルトアレグレ)に先発したフィールドの選手たちはこの日もクールダウンに専念した。川島永嗣(ストラスブール)や久保建英レアル・マドリード)らは6対6のミニゲームなどで強度を上げた実戦形式を繰り返したが、それを傍らで見ていた指揮官とキャプテンマークを巻く柴崎岳(ヘタフェ)が20分あまりの意見交換を行っていた。その一挙手一投足からは、2人の間にある特別な絆が感じられた。

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