四大陸直前に大きな賭け 羽生結弦“勝利への執念”と舞台裏

公開日: 更新日:

 そんな羽生が苦しみ抜いて出した結論が、自らを栄光に導いてくれた平昌五輪のプログラムへの回帰だった。

「平昌五輪のプログラムに戻した理由は大まかに言って2つあります。ひとつは羽生の宿命のライバルであるネイサン・チェン選手(20)が持つ335.30という世界最高スコアにいかにして近付くか。それには平昌五輪のプログラムがベストと判断したのでしょう。もうひとつ、今大会のFPでは3種類4本の4回転ジャンプに挑むわけですが、失敗は絶対に許されません。そのため、敢えてミスが出にくい構成のプログラムに変更したわけです」(前出・クラブ関係者)

 世界選手権の出場がすでに決まっている羽生が今大会に出場したのは、3月の世界選手権までに変更したプログラムの感触をつかむ意図も垣間見える。前出のメンバーは「レジェンドは恥も外聞も捨てて世界選手権の金メダルだけを狙いに来たのだろう」と代弁した。

■土壇場での変更が与えた衝撃

 羽生はプログラムの変更を決断すると、すぐに同じトロントに住む『SEIMEI』の振付師であるシェイ=リン・ボーン氏にコンタクトを取った。今季からルール改正で演技時間が短縮されたため、平昌五輪の時より演技時間が30秒短い新しい振り付けを依頼するためだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  2. 2
    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った

    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った会員限定記事

  3. 3
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  4. 4
    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

  5. 5
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

  4. 9
    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた

    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた会員限定記事

  5. 10
    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」