中森や高橋も 高校ドラ1候補が軒並み進学に傾くコロナ異変

公開日: 更新日:

「終盤にきて、体力が落ちている。詰められるところを詰めて、臨めばよかったです」

 16日、今秋ドラフト1位候補の明石商(兵庫)・中森俊介(3年)が甲子園交流試合の桐生第一(群馬)戦で2失点完投勝利。速球は最速150キロをマーク、9三振を奪う内容にも笑顔はなく、課題ばかりが口をついた。

【写真】この記事の関連写真を見る(28枚)

 中森はかねて、この大会が終わってから進路を決めるとしていたが、これでいよいよ大学進学に傾くのではないか、とみる関係者は少なくない。

 この日、中森は進路について、「今はまだ考えていない。大学かプロ。完封できればプロでできるという自信になる。そういう気持ちでマウンドに上がったが、9回2失点。まだまだ実力が足りないかなと思う」と慎重な口ぶりだった。

■東京六大学が攻勢

 パ球団のスカウトが言う。

「中森を巡っては、早大や慶大など東京六大学の名門が関心を示し、中でも明大と法大が熱心に追いかけている。明大はこの日、田中新監督が甲子園に視察に来ていたくらい。明大は近年だけを見ても、高山(阪神)や柳(中日)、坂本(阪神)ら何人もプロに送り込んでいるが、今季は1回戦総当たりで行われる春季リーグで開幕4連敗と苦しんでいる。ライバル校のレベルが上がっているとはいえ、一時と比べて戦力が落ちている。何が何でも中森が欲しいと力を入れ、獲得合戦で一歩も二歩もリードしています。今年の新入生に14人のスポーツ推薦合格者がいるなど比較的、入学しやすい法大も、プロが注目するエース左腕の鈴木(常総学院=4年)が卒業することもあり、投手補強が急務です」

 大学進学といえば、中森と同じくドラフト1位候補で、甲子園交流試合で3失点完投勝利を挙げた中京大中京(愛知)の高橋宏斗(3年)も、基本線は大学進学を希望。慶大の推薦入試を受験するという。高校球界を代表する両右腕がそろって、プロよりも大学進学を重視するのは異例といっていい。

 近年、高校球児の進学志向は強まっているものの、トップクラスの選手となれば話は別。清宮幸太郎(早実→日本ハム)も根尾昂(大阪桐蔭→中日)も高校からプロ入りし、2018年夏に準優勝を果たした金足農の吉田輝星(日本ハム)は、甲子園前には大学進学が内定していたが、甲子園で自信をつけ、プロ入りへと心変わりした。昨年でいえば、佐々木朗希(大船渡)と奥川恭伸(星稜)が大学進学を選ぶようなものだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

  1. 6
    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

  2. 7
    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

  3. 8
    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

  4. 9
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  5. 10
    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌

    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌