阪神D2伊藤が新巨人キラーに！四ないからの成長を恩師語る

初勝利を挙げ、ポーズをとる伊藤（Ｃ）共同通信社

　阪神ドラフト２位左腕・伊藤将司（２４＝ＪＲ東日本）が７日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた。

　本拠地・甲子園初登板のマウンドで７回１１４球を投げて１失点。直球の球速は１４０キロそこそこだが、６三振を奪った。

「スピードがない、フィールディングができない、走れない、素質もない……あの伊藤が感慨深いね」と横浜高時代の恩師・小倉清一郎元部長がこう証言する。

「同じ左投手でスピードがなかった成瀬（元ロッテなど）を参考にして、球の出どころを隠す投球フォームに改造したところが始まり。できないことが多かったから、歴代のエースの中でも時間をかけて仕込みました」

　名門・横浜でエースを張るには、投球以外の部分も重要になる。当時の伊藤はフィールディングなどのレベルも低かったという。小倉氏が続ける。

「何か武器が欲しかったから、右足を一塁側へ出しながら、牽制球を投げると見せかけて本塁へ投げるトリック投球を教えると自分のモノにした。これは『器用』じゃないと、なかなかできない。ほとんどの一塁走者は戻ってしまうので、送りバントで二塁へ進まれることが少なかった。いろいろな牽制球を教えたが、今では武器にしている。器用なところはあります」