山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

日本ハムを自由契約 金子千尋と変化球の魅力は…スローカーブの「176勝投手」を想起

公開日: 更新日:

 北海道日本ハムのベテラン右腕・金子千尋が自由契約となった。金子といえば、やはりオリックス時代の印象が強い。今をときめく大エース・山本由伸が現れる前のオリックスには、もちろん西勇輝山岡泰輔といったエース級の投手はいたにはいたが、現在の山本と比べても遜色ない圧倒的な大エースと言われれば、2000年代後半~10年代中盤までを駆け抜けた金子千尋だった。

 特に13~14年ごろの金子は心技体すべてが充実していたのか、とにかくすさまじかった。ダルビッシュ有に続いて田中将大まで海を渡り、パ・リーグに大エース不在時代が到来するかと思いきや、その穴を感じさせない、いわゆる無双状態の快投を見せ、14年には最多勝と最優秀防御率、沢村賞にMVPと数々のタイトルを獲得した。

 このころの金子は最速150キロを超えるストレートを制球良く投げるだけでなく、「すべての球種が一級品」と言われるほど多彩な変化球を高い精度で操る、バランスのとれたパーフェクトなピッチャーだった。それでいて、今でも強烈に覚えているのは14年のオールスター前にマスコミに発した次の発言だ。

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