大谷翔平の来季は打者中心で“ジャッジ超え” オンリーワンの次に目指すは「ナンバーワン」

公開日: 更新日:

「同時にやる上ではあまり目指さなくてもいいかなと思う。規定というのは例えばバッターならバッター、ピッチャーならピッチャーの規定なので、どんな形のツーウエー(二刀流)のスタイルがあってもいいと思う。これとこれをやらなければならないという形である必要はない」

 12日に放送されたNHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平 2022 アメリカの新たな伝説へ」のインタビューの中で、今季達成したメジャー史上初の投打での規定数到達について大谷翔平(28=エンゼルス)がこう言っている。

 そして具体的な二刀流のスタイルに関して、「野手で出ていてクローザーで出るタイプかもしれないし、ファーストを守っていてリリーフで1回出て、ファーストにまた戻るパターンもあるかもしれない。どちらの規定も目指さなければいけないということはない」と続けた。

■投打ともいまだ無冠

 大谷は今季、「メジャー史上初の投打での規定数到達」という偉業を達成。「ベーブ・ルース以来の2ケタ勝利、2ケタ本塁打」どころか、投げて15勝9敗、防御率2.33、打って打率.273、34本塁打、95打点と、投打ともメジャーでトップクラスの成績を残した。

 それでもサイ・ヤング賞の最終候補3人には入らなかったし、11日に発表された強打者に送られるシルバースラッガー賞にしてもア・リーグDHとユーティリティーの2部門ともノミネートされながら落選した。2年連続受賞のかかるア・リーグMVP(日本時間18日発表)も、リーグ新記録となる62本塁打を放ったA・ジャッジ(30=ヤンキース)が有力視されている。表彰ラッシュに沸いた昨オフとは打って変わって、いまだ無冠なのだ。

 大谷の達成した投打の規定数到達は「メジャー史上初の快挙」だし、投打で残した数字もメジャーにおいて一流のものだ。しかし、その数字が一番かといわれれば、そうではない。今季の大谷の成し遂げたことは「オンリーワン」であっても「ナンバーワン」ではない。

 メジャーの中でも「オンリーワン」の存在であることは、昨年のMVPと今年の快挙で十分過ぎるほど証明された。ならば次に目指すべきは「ナンバーワン」。そう考えていることが冒頭の発言につながったのではないか。

 まして、くだんのNHKの番組では、シーズン終盤の8月から9月にかけてはウイルス性胃腸炎を患いながら試合に出たり、嘔吐したりしたことも明らかに。先発として中5日や中6日のローテを守りながら、ほとんど休養日なしで野手としても出場し続けることは、体力的にももはや限界。そう考えているとすれば「(投打の規定数到達は)同時にやる上ではあまり目指さなくてもいいかなと思う」「どんな形のツーウエーのスタイルがあってもいいと思う」という発言も納得がいく。

 ならば大谷は今後、どんなスタイルの「ツーウエー」を目指すのか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1
    阪神・佐藤輝明の機能不全は岡田監督の“旧時代的アドバイス”が元凶か…名球会会員は“前さばき”の悪循環を指摘

    阪神・佐藤輝明の機能不全は岡田監督の“旧時代的アドバイス”が元凶か…名球会会員は“前さばき”の悪循環を指摘

  2. 2
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  3. 3
    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

  4. 4
    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  5. 5
    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

  1. 6
    巨人・堀田賢慎はなぜ「打たれそうで打たれない」のか…防御率1点台キープする「4つの秘密」

    巨人・堀田賢慎はなぜ「打たれそうで打たれない」のか…防御率1点台キープする「4つの秘密」

  2. 7
    日本ハム快進撃の原動力は新庄監督以上にフロント! 育成中心のドラフト戦略ようやく結実

    日本ハム快進撃の原動力は新庄監督以上にフロント! 育成中心のドラフト戦略ようやく結実

  3. 8
    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

  4. 9
    日本ハム山﨑福也「足が速ければ野手にしたかった」元巨人打撃コーチの父・章弘氏が本紙に証言

    日本ハム山﨑福也「足が速ければ野手にしたかった」元巨人打撃コーチの父・章弘氏が本紙に証言

  5. 10
    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    阪神・佐藤輝明の機能不全は岡田監督の“旧時代的アドバイス”が元凶か…名球会会員は“前さばき”の悪循環を指摘

    阪神・佐藤輝明の機能不全は岡田監督の“旧時代的アドバイス”が元凶か…名球会会員は“前さばき”の悪循環を指摘

  3. 3
    巨人・堀田賢慎はなぜ「打たれそうで打たれない」のか…防御率1点台キープする「4つの秘密」

    巨人・堀田賢慎はなぜ「打たれそうで打たれない」のか…防御率1点台キープする「4つの秘密」

  4. 4
    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

  5. 5
    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  1. 6
    伊東純也はJFAの“スポンサー忖度”でTVに映れず…仏で好調も代表入り不可の「ねじれ現象」続く

    伊東純也はJFAの“スポンサー忖度”でTVに映れず…仏で好調も代表入り不可の「ねじれ現象」続く

  2. 7
    後輩の挑発をスルーした松本人志、粗品のケンカを買って自爆した宮迫博之…露呈した“芸人の格”の違い

    後輩の挑発をスルーした松本人志、粗品のケンカを買って自爆した宮迫博之…露呈した“芸人の格”の違い

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

  5. 10
    石破茂氏は自民幹事長を受けるのか 岸田首相“死に体”政権だけは勘弁と7月末「内閣改造」画策

    石破茂氏は自民幹事長を受けるのか 岸田首相“死に体”政権だけは勘弁と7月末「内閣改造」画策