“100のセオリーとプレー”…甲子園で勝ち切るために繰り返した守備と走塁練習を公開
まずはマウンド周辺、やや本塁寄りに二塁手か遊撃手が走る。飛球が一塁側なら二塁手、三塁側なら遊撃手。中継しない方は二塁へ、投手は本塁のベースカバーに入る。まず捕手は低くカットマンに投げる。ダイレクトで二塁へ送球するのはダメ。軌道が高くなり、三塁走者が生還しやすくなってしまう。中継に入った内野手は、通常なら左向き、つまり一塁側から振り返って二塁へ送球するが、このケースは逆。あえて右回りで二塁へ投げる。三塁走者を目で牽制しなければならないからだ。
■攻撃は八回で終了することもあるが…
私の指導は守備の練習が多い。野球は勝っていれば攻撃は八回で終了。守備は必ず九回まである。「甲子園で勝ち切るためには、守備の方が大事」というのが持論だからだ。
選手たちは甲子園で「徹底して走塁を練習してきた」と口をそろえた。ノックの際に走者を置き、打球に応じた判断力を鍛えた。守備同様に走塁も大事である。
例えば、無死か1死の時の二塁走者の判断だ。セオリーは自分より左手側に飛んだら進塁。右手側に飛んだら走らない。ただ、三遊間に飛んだ際の判断は難しい。これで確実に1点が取れるチームは強いから、繰り返し行う練習である。