“100のセオリーとプレー”…甲子園で勝ち切るために繰り返した守備と走塁練習を公開
打球が三遊間を抜けても二塁走者がスタートを切れずに三塁止まり。逆に遊ゴロ、もしくは三ゴロなのに、抜けたと思った走者が走ってしまい、三塁で封殺されるのは痛恨のミスである。
塁間は27.431メートルで、二塁走者のリードは約4メートル。第2リードも4メートルは取りたい。そこから10メートル先、つまり二塁ベースから18メートル、三塁ベースから10メートルの位置が三遊間のど真ん中だ。打球の強弱によって変わるものの、この距離感を体に叩き込むことができれば、勝利に近づく。
2021年夏。山梨大会準決勝で富士学苑に敗れた。長打が出れば逆転サヨナラの九回1死満塁の好機で、当時1年生で三塁走者だった進藤天(現主将)が牽制で刺され、そのまま試合終了。走塁の重要性が身に染みている選手たちが、今センバツでは甲子園を駆け回り、「足」でも相手にプレッシャーをかけた。
高校野球100年の歴史で春夏連覇は7校(8度)しかない。横浜の部長時代、センバツで優勝しながら、夏は勝てなかったことがある。これは選手の油断や過信が一番の要因だ。これが夏への最大の障壁となることを忘れないで欲しい。