六川亨
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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

元日本代表・都並敏史監督率いるJFL浦安 天皇杯2回戦で横浜Mにチャレンジ

公開日: 更新日:

 千葉県浦安市を本拠地とするブリオベッカ浦安は、Jリーグが発足する4年前の1989年に創設された地域密着型の総合サッカークラブだ。Jリーグ入りを目指しているトップチーム以外に年代別の18歳以下、15歳以下、12歳以下の下部組織も充実。ジュニアやキッズ、レディースに加えてOBや保護者のチームも活動している。

 トップチームが、念願のJFL(ジャパン・フットボールリーグ=J4部に相当)入りを果たしたのは2016年だった。しかし、すぐに関東リーグ1部に降格してしまい、2019年にビッグネームが指揮を執ることになった。日本代表の不動の左SBとして活躍して引退後は仙台、C大阪、横浜FCで監督を歴任した都並敏史氏が、采配を揮うことになったのである。

 浦安のテクニカルディレクターを務めていた都並氏は、監督として2020年、2021年と関東1部で2位の好成績を残しながら、JFL昇格は叶わなかった。昨シーズンは6位と不本意な成績に終わったが、全国社会人サッカー選手権を初制覇したことで全国地域チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を獲得。見事に初優勝を飾り、6年ぶりとなるJFL復帰を果たした。

 開幕戦で東京武蔵野ユナイテッドと対戦。常にリードされる苦しい展開ながら、粘り強く同点に追い付いて勝ち点1をもぎ取った。

■早くJFLの水に慣れないといけない

「前回JFLではCBの強度セットプレーの上手さと強さに手こずりましたが、今日は『そうでもないかな』と思いました。しかし選手が落ち着きを失ってコンパクトに戦えない時間帯があり、それが失点にも繋がった。早くJFLの水に慣れないといけません」

 それなりの手応えを感じたが、それから浦安はイバラの道を歩くことになった。第2節以降も●●△●●●△●と初勝利に見放されてしまった。それでもJFLに再挑戦して10試合目。3日のソニー仙台戦で千葉・市立船橋高出身の187センチFW村上弘有が先制ゴールを奪い、1-1で迎えた前半終了間際にDF西袋裕太が勝ち越し点。56分にはMF村越健太が追加点をゲット。3-2で逃げ切って初白星を飾った。

「JFLでは、監督が前半と後半でチーム戦術を変更することがしばしばあり、選手も素早く対応する力を持っている。こういった<関東リーグ1部>にはない部分に面食らって隙を見せた時に失点したり、好機にゴールを奪えなかったり、それが9戦連続未勝利という結果に繋がりました」

 潮目が変わったのは、5月21日の天皇杯1回戦・筑波大戦の勝利だった。

 13日の関東大学サッカー1部・筑波大ー法政大(西が丘)に視察に訪れた都並氏は、法政大を5-1で圧倒した筑波大を目の当たりにして「いやぁ~強いね!」と話していたが、常にリードを奪う展開から3-2で勝利した。勝因について都並氏は「魂じゃないでしょうか」と話して選手の奮闘ぶりを讃えた。

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