永田洋光
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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」(洋泉社)などがある。

日本はなぜラグビーW杯1次リーグで敗退したのか…無駄にした強化試合、繰り返された得点直後の失点

公開日: 更新日:

 大会前に、ジェイミー・ジョセフHCは複数のポジションをこなせる選手を発掘することにこだわり、主軸メンバーを固定しなかった。しかし、大会で主軸として起用されたのは、前回、前々回のW杯を経験したメンバーたち。ならば、あの強化試合での若手の重用はなんだったのか。結果的に、それが時間的なロスとなったことは否めない。

 もちろん、コロナ禍の影響でテストマッチの数が大幅に減ったことや、スーパーラグビー参加の道が閉ざされたことで選手を見極め、戦術を試行錯誤する場を得られなかったことなど、この4年間がジャパンにとって厳しい環境であったことは事実だ。そのなかで、ジャパンがプール3位を確保して次回大会の出場権を得た点は評価されるべきだが、事前に掲げた目標はそれよりもはるかに高かった。その落差がどこに起因するのかが、問われなければならない。今回の“失敗”をどう総括するかが、将来のジャパンを決める道しるべとなるからだ。

 どんなにメンバーが入れ替わろうと、どんなにスーパーな選手が登場しようと、緻密にきめ細かく戦う以外にジャパンが世界で結果を残す術はない。

 そうしたラグビーをこれからの4年間で構築することが、次の「日本代表HC」に求められる「仕事」なのである。

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