武田薫
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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「瀬古ハラ問題」で思ったこと…それでも潔く謝るしかない

公開日: 更新日:

■アメリカの男女同権

 かつて、日本のプロ野球では試合後のロッカールームに自由に出入りして取材できた。勝った試合後なら、長嶋さんや王さんが口笛吹きながら素っ裸で歩いていたし、KOされた男・仙一がパイプ椅子を次々と投げつける光景を震えながら見たこともある。

 メジャーリーグも同じだったが、1970年代後半、ある雑誌が女性記者のロッカールームでの取材許可を求める訴えを起こした。当然のように認められ、女性記者もロッカーで取材するようになった。それはそれでセクハラも始まったが、やがてそんなトラブルも消えた。これがUSAの男女同権だ。

 さて、当時の日本に女性運動記者は片手で数えるほどもいなかった。とはいえ、男女雇用機会均等法を控えた世相に女性差別は重要問題。海の向こうの騒ぎを聞き、それでは男女平等にと、男性記者のロッカー取材も禁じることにしたのだ。こうした日米の実態を頭に入れておかないと、選手は誰とも食事をするなとなりかねない。


 相撲協会は女性市長を土俵に上げなかった。今年の甲子園でも、スカート姿の女性部長が打席に立って叱責されたという。そんなタブーはとっととなくせばいい。が、規則を変えれば問題解決と思ったら大間違いだ。

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