五木寛之 流されゆく日々
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連載11783回 十年一日のごとく <2>
(昨日のつづき) 私は九州人なので、気が短いところがあると自覚している。 <飽きやすの好きやす> などとも言われた。長続きしないところがあるのだ。 しかし、一方で半島・大陸で育ったためか…
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連載11782回 十年一日のごとく <1>
私はこれといった趣味を持たない。 もともと無趣味な人間なのだ。食べものにもこだわらないし、着るものにも気を使わない。いま着ているジャケットやコートも、何十年も前に入手したものばかりだ。 靴も…
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連載11781回 人新世のどん詰まり <4>
(昨日のつづき) 毎朝、新聞を読むときには、一面左下のコラムから目を通すのが習慣のようになっている。 ニュースというのは、客観報道のかたちをとっているが、かなり忖度が働いているものだ。私自身、…
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連載11780回 人新世のどん詰まり <3>
(昨日のつづき) <共感疲労>の波が広がりつつあるという。 あまり聞きなれない言葉だが、心理学、精神医学の分野で使われる用語らしい。 自分以外の他者の悲惨な情況に心を痛めすぎて、そのために食…
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連載11779回 人新世のどん詰まり <2>
(昨日のつづき) 戦争がおこるのは、世の中がどん詰まりになったときである。 資本主義のみならず<人新世の社会主義>のほうも、どん詰まりだ。政治も、文化も、宗教もそうだ。 押しよせるデラシネ…
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連載11778回 人新世のどん詰まり <1>
このコラムの連載がスタートしたのは、1975年の10月からである。 <日刊ゲンダイ>の創刊以来、毎年、年頭には似たような事を書き続けてきた。 当時、若手作家扱いされていた私も、すでに卒寿をこえ…
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連載11777回 多難な年の予感 <2>
(昨日のつづき) 《ゴジラ》を観にいったら、夜の8時過ぎからだという。 時間が合わないので、諦めて帰ってきた。なにか映像を見たいのだが、テレビはこれといった番組がないし、仕方がないので昔のDVD…
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連載11776回 多難な年の予感 <1>
波瀾ぶくみの年頭である。 能登の地震は思いがけない被害をもたらした。私も北陸に縁のある人間なので、人ごととは思えない。刻々つたえられるニュースを、息をのむ思いで観た。 それに続いて日航機と海…
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連載11775回 年は過ぎ人は去る <4>
(昨日のつづき) 毎日、1回分ずつこの原稿を書きながら、また1年が過ぎた。 ときには夜中の12時5分前に入稿したこともあり、ギリギリの滑り込みもあった。 1日分の原稿ぐらい、前日に書いて送…
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連載11774回 年は過ぎ人は去る <3>
(昨日のつづき) NHKTVを見る。 熾烈な戦闘場面がでてくる。シリーズ大作のコマーシャルだ。 よくこんなシーンを撮影できたものだと驚くような迫力のある映像だ。馬が倒れ、人が死ぬ。 こ…
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連載11773回 年は過ぎ人は去る <2>
(昨日のつづき) 世界は一面だけではない。落葉にも裏と表があるように、あらゆる事実に表裏がある。 悪が存在するからこそ、善という概念が成り立つのだ。夜と昼のようなものだろう。 世界の成立以…
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連載11772回 年は過ぎ人は去る <1>
年の暮れに一年を回顧する、などという殊勝な気持ちは、もう忘れた。 時の流れに切れ目はないのだ。一年が終ると、音もなくさらなる一年が流れてゆく。 今年もいろんな事があった。 ウクライナ、パ…
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連載11771回 わが対談クロニクル <5>
(昨日のつづき) 人名別の対談リスト(活字メディアのみ)を見ると、すでに故人となられたかたがたの名前も少くない。 阿佐田哲也さんとは、ずいぶん多くやっている。 石岡瑛子さんとの対談も忘れが…
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連載11770回 わが対談クロニクル <4>
(昨日のつづき) <年代順>にまとめた対談リストを眺めて、感心したのは、よくこんな昔の対談をみつけ出したもんだ、ということだった。 一覧表では、1968年からの対談がリストアップされている。私が…
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連載11769回 わが対談クロニクル <3>
(昨日のつづき) <対談>は<会話>ではない。 対立、対決、タイマンなど、<対>のつく字は、双方が同じ土俵で向かいあうことだ。 <対峙>もそうだ。いわば言葉による決闘という感じがある。 表…
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連載11768回 わが対談クロニクル <2>
(昨日のつづき) これまで新聞・雑誌など出版物に限って対談をした相手のかたがたの顔ぶれを眺めてみる。 もちろん、全部ではない。過去のデータというものは、ほぼ全体像をつかんでいるが、細部は必ずし…
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連載11767回 わが対談クロニクル <1>
先日、某出版社から連絡があって、「あなたの過去の著作物を復刻版の雑誌に掲載するので許諾をいただきたい」という。 どうも記憶にないので、「それはどういう内容のものでしょうか」とたずねた。 する…
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連載11766回 我流をとおす生き方 <5>
(昨日のつづき) 『週刊新潮』の記事によれば「60年という眼球寿命」というわけだから、目が命の文筆業者としては大きな不安を抱かざるをえない。すでに耐用期限を30年以上も越えて酷使している身なのである…
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連載11765回 我流をとおす生き方 <4>
(昨日のつづき) 今週の『週刊新潮』の<60年という眼球寿命を延ばす新常識>という記事は、大変、役に立った。 米国の白内障屈折矯正手術学会(ASCRS)の最高賞を20回も受賞されたという眼科外…
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連載11764回 我流をとおす生き方 <3>
(昨日のつづき) 今週発売の『週刊新潮』(12月14日号)に、とても役に立つ記事が載っている。 最近、当紙(日刊ゲンダイ)にも、『週刊文春』『ポスト』誌などにも、健康に関する真面目な記事が毎回…