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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

「仁義なき戦い」だけにあらず 改めて見たい“辰兄ィ”作品

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 今月12日に亡くなった梅宮辰夫さん。幅広い交友関係や釣りの話など人間性に即した記事は盛りだくさんだが、意外に俳優としての記述が少ない。

 代表作としてすぐに「仁義なき戦い」(1973年)が出てくる。確かに重要な作品ではあるが、そこだけを切り取っても、彼の魅力は一部分しか分からない。

 ニューフェイスとして東映に入社したのは1958年だ。以降の作品群を見ると、よくもまあ東映カラーに染まった道を進んだものだと感心する。ギャングもの、色もの、ヤクザ映画など、東映のあくどいまでの娯楽路線にぴったりと寄り添った印象が強い。というより、梅宮さんの個性が、それらの作品を引き寄せた感じもある。

 筆者は、細身の体にスーツ(当時は背広)が抜群に似合い、色悪ぶりがピカイチだった一群の作品を特に買っている。なかでも「ひも」(65年)から始まる夜の青春シリーズだ。緑魔子や大原麗子らが共演した。女を食い物にする役柄が水を得た魚のようだったが、どこかワルになりきれない優しさ、弱さも抱えていて、不思議なマイルド感を漂わせていたと記憶する。

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