佐藤正宏さんは大の日本酒好き…酒との距離が近かった山形時代、30年通う居酒屋のエピソード

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 90年から30年以上通っている店が根津にあるんですよ。ある夜タクシーで帰ると「1万円ではおつりがない」と運転手に言われ、明かりはついてるけど提灯は消えていた「すみれ」という小さな居酒屋に入ったんです。イヤがられるだろうなと思いながら事情を話し「両替できませんか」と申し出たら、50代の女将さんが「うれしいね。うちをあてにしてくれるなんてさ」と言ってくれて。

 こんな粋なこと言う人がいるんだ! と感動していると、「仕事の帰り? 飲んでいきなよ」と。「店、終わりじゃないんですか」と聞くと、「うちはいいんだよ。アンタが飲みたきゃ飲めばいいし、自分で決めりゃいいから。はい1万円」と1000円札の束をくれて。

 運転手に払った後、戻って飲みましたよ。ご夫婦でやられていたけど、僕が通い始めた数年後に旦那さんが亡くなりました。その朝に偶然、女将さんと道でバッタリ遭遇。

「うちのオヤジ、逝っちゃったよ。じゃあね」とそれだけ言われました。僕ら常連客もお葬式に行かせてもらい、その後、電気がついていない店の前を通るたびに「もう店はやらないかもしれない」と思っていたらある夜、明かりがついていて。

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