野茂英雄氏と借金トラブル 元1億円投手の佐野慈紀さんは今

公開日: 更新日:

 1990年代、近鉄バファローズの中継ぎ投手として活躍。また、薄毛をネタに笑いをとる明るいキャラクターで人気だったが、昨年、元大リーガーの野茂英雄氏との借金トラブルが報じられ世間を驚かせた。佐野慈紀(50)さん、今、どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 佐野さんと待ち合わせたのは、とある日の午前中、都内の公園。

「この近くに住んでいます。午後から仕事なんで、その前に話しましょう」

 佐野さん、まずはこう言った。きっちりスーツを着込んでいるが、いったい、どんな仕事を?

「去年の12月から、飲食店のコンサルタント会社の社長の運転手をしています。昼すぎに社長の自宅へ迎えに行き、仕事は夜中まで。去年9月に例の出来事(野茂氏との裁判)を報じられ、知人が社長を紹介してくれたんです。裁判の影響で、この1月中旬まで入っていた講演が全部キャンセルになったので、定職に就けてありがたいです」

 2003年に現役引退後は、フリーで野球評論や解説で活躍。12年からは独立リーグ・石川ミリオンスターズの取締役を務めた。野茂氏から03年に借りたお金は3000万円。少額ではないとはいえ、返せなかった?

「石川ミリオンスターズの取締役は去年までで、お金はもらっていませんでした。評論や解説の仕事は面白くて真面目にやってきたつもりですが、帯の仕事がなくなったり、年とともに仕事が減り、月に1本あるかないかという時もありました。でも、見えを張って仕事があるフリをして、野茂にはきちんとボクの仕事の状況を説明さえしていませんでした。自分の都合で用意できた時に返せる額を返してきましたけど、返せる時にもっと返しておくべきだったし、ここ3年はまったく返せていませんでした。完全にボクの不義理。彼が、自分はないがしろにされていると思ったのは当然です」

 そもそも、なぜ借金をしなければならなかったのか。96年に日本プロ野球史上初の1億円中継ぎ投手になるなど、選手時代にガッツリ稼いでいたのではないのか。

「00年のオフに戦力外通告を受け、それから家族で渡米してメジャーリーグに挑戦したんですけど、00年の年俸は1億3000万円。ところが、アメリカでは独立リーグやマイナーだったので、2年間でもらえたのは、月15万円を半年だけ。03年に帰国してオリックスでプレーした年は年俸600万円。そこから税金を引かれ、家族の生活もあって……。それでも、引退した時はセカンドキャリアに手応えがあり、返せると思っていた。派手な生活はしていないし、隠し財産もありません」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 8

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 9

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  5. 10

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較