ロッテ1位・佐々木朗希<2>母は女手一つで息子3人を育てた

公開日: 更新日:

佐々木朗希(ロッテ1位)

 東日本大震災後、女手ひとつで3人の息子を育てる母・陽子さん(46)は、「特別なことはしていません。勝手に育ちました」と笑う。「百獣戦隊ガオレンジャー」のキャラクター・狼鬼をもじって朗希と名付けた。小さい頃は、寝る子は育つと夜9時には床に就かせた。

 朗希は中学3年の時、KWBボールの「オール気仙」で野球をやっていた。練習や試合の時にはいつも、陽子さんが送り迎えをしていた。

 当時からオール気仙でコーチを務める小川健斗氏は、陽子さんについて、こう振り返る。

「秋のある日のことです。私が練習で朗希君の打撃投手をやっていた時、ボールをうまくコントロールできず、朗希君の背中にぶつけてしまった。朗希君は『気にしないでください、先生』と言ってくれましたが、お母さんのところにも謝りに行きました。するとお母さんから冗談が返ってきたので、私自身も救われました。そのことをきっかけに、私のことを覚えていただいた感じです」

 陽子さんは高校3年になった朗希に、ご飯3合とおかずを詰め込んだ弁当を持たせた。「希望に応えるようにしていました」と、陽子さんは言う。

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