阪神藤浪は勝ち星つかずも上出来…“勝ち越しローテ”見えた

公開日: 更新日:

 上出来だったのではないか。阪神藤浪晋太郎(26)のことである。

 26日、ヤクルトとの開幕戦に先発し、5回2失点。初回は3者凡退に抑えるも、二回以降は毎回走者を出す苦しい投球が続いた。計5四球を与えただけでなく、右打者の山田哲や西浦には頭部付近にあわや死球の抜け球を投じ、球をひっかけての暴投もあった。極度の制球難に苦しめられてきただけに、球の荒れっぷりは相変わらずだった。

 昨季までの藤浪なら、修正できないまま降板していたかもしれない。しかし、キャンプ、オープン戦で先発として結果を残したことで自信をつけたのか、何とか2失点で踏ん張った。

 矢野監督はこの結果にさぞかし、ニンマリしていることだろう。

 藤浪は昨季、中継ぎでの登板が多かったとはいえ、1勝しかしていない。ましてヤクルトの先発は昨季10勝のエース小川だ。この開幕戦は「勝てればラッキー」という声も少なくなかった。

■むしろ裏ローテ重視


「開幕ローテ候補だった助っ人左腕のチェンが、不調で開幕ローテを外れた。藤浪にメドが立てば、チェンの出遅れをある程度カバーできる上に、実績のある2戦目の青柳、3戦目のガンケルでカード勝ち越しも見えてくる。しかも矢野監督は、裏ローテを重視しているフシがある。昨季、2ケタ勝利を挙げたエースの西勇が4戦目、秋山が6戦目に先発予定。4月にはこの裏ローテで、優勝争いの最大のライバルである巨人と2度、対戦しますからね。もともとリリーフ投手はライバル球団に引けをとらないし、貧打に悩んできた打線も黄金ルーキー佐藤輝の加入で厚みが増した。6連戦での勝ち越しが増えれば当然、2005年以来の優勝も視野に入ってきます」(阪神OB)

 この日の阪神は、新人の佐藤輝がチーム初打点となる犠飛で先制。主砲の大山が適時打を放ち、助っ人のサンズも2本塁打と大暴れし、4―3の接戦をモノにした。これで藤浪に勝ち星がついていればこの上なかったが、さすがにそこまで望むとバチが当たるか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾