巨人V9の功労者 城之内邦雄は川上監督に嫌われ“当て馬”に…「おかげで辞める踏ん切りがついた」

公開日: 更新日:

城之内邦雄(元巨人投手)

 1965年から73年までの巨人V9に欠かせない投手のひとりが城之内邦雄だった。

「9連覇の始めの4連覇は俺がやった」

 確かに城之内の力投がなければ、9連覇は成し得なかったはずだ。

 千葉県の佐原一高から日本麦酒(現サッポロビール)を経て62年入団。オープン戦で4勝0敗、33回投げて自責点1、防御率0.27の驚異的な成績を挙げて新人ながら開幕投手に抜擢され、この年24勝12敗で新人王に。以降も勝ち星を量産して入団5年で100勝を達成した。

 そんな城之内に入団3年目ごろ、「エースのジョー」のニックネームがつけられた。

 当時は日活映画の全盛期で宍戸錠をエースのジョーと称していたことから城之内のジョーにひっかけ、人は城之内もエースのジョーと呼ぶようになったのだ。

 しかし、67年の17勝を最後に成績が急降下。71年には1勝しか挙げることができず、この年限りで現役を引退した。

 城之内が急激に成績を落とした原因は、大きく腰を回転させ打者に背中を向けながらサイドスローで投げ込むという、後年の野茂英雄を彷彿させるトルネード投法にあった。特に負担がかかる腰を痛め、同時に右肩も故障したことで、生命線とも言えた切れ味鋭いシュートの威力が半減してしまったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾