大谷翔平が活躍するほど大会価値低下へ…日本国民の胸中は「WBCよりドジャース」の皮肉

公開日: 更新日:

 ドジャースのロバーツ監督が大谷翔平(31)と山本由伸(27)に関して、来年3月のWBCへの出場に改めて消極的な姿勢を見せた。

 30日付のスポーツ報知に掲載された指揮官の独占インタビュー。「ドジャースの日本人選手3人(大谷、山本、佐々木朗希)にWBCに出場してほしくない?」との質問に対し、「翔平は右肘の手術から戻ってきたばかり。(WBCで)投げれば大きな負担になる。山本は今季多くのイニングを投げたので、WBCに出場するために通常よりも調整を早めると、負担が大きくなる(略)」と、懸念を示したのだ。

 大谷は先日、山本、佐々木に先立ちWBCへの出場を明言したが、このロバーツ発言は、日本の野球ファンの間で一定の支持を得ているようだ。

 インタビュー記事が配信された「ヤフーニュース」のコメント欄には、

<自分が同じ立場なら、ロバーツ監督と同じ気持ちになると思います。WBCに出場せず休ませてあげたいですね>

<ファンですから選手が選んだ道を応援しますけど、やっぱりロバーツ監督が言うような心配事はありますよね>

 WBC出場による公式戦への反動を危惧する声が、多くの「共感」を得ている。必ずしも日本中が大谷のWBCへの出場決定を手放しで喜んでいるわけではないのだ。

 実際、投手としては今季、右肘のトミー・ジョン手術から復帰したばかり。投球回数はわずか47にとどまった。本格的な投手復帰を目指す来季、開幕前の重要な時期にWBCに出場すれば、調整を前倒しする必要が生じる。まして投手もやるとなれば体への負担は大きい。

 ブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)で獅子奮迅の活躍を見せた山本もしかりである。今季はチームで唯一、開幕からローテを守り、WSでは中0日登板をするなどチームのWS連覇に大きく貢献。オフは疲労の回復を最優先せざるを得ないのが現状だ。本人はWBC出場に関し、「ベストを尽くしたい」としつつも、ここまで参加を明言してない。

 野球ファンの戯作者・松崎菊也氏は「大谷も山本も故障が心配です」と、こう続ける。

「特に大谷は投打二刀流でケガのリスクが大きい。今度、肩や肘をケガしたら投手としてはおそらく再起不能でしょう。いちファンとしてはWBCに『出てほしい』『出てほしくない』の葛藤がある。出るならできることは全部やってほしいですが、それだとケガが怖い。非常に心中複雑。痛しかゆしというか、股裂きに遭っている気分です。前回のあのWBCを見てしまった以上、大谷には出場してほしいと思いますが、故障のリスクがあるのでDHのみの出場という可能性もあるでしょう。とはいえ、ファンとしては二刀流をこなしてこその大谷。『わかっていたけど、投手はやらないのか……』と、心にしこりが残ってしまいそうです」

 大谷は2023年大会で投げて打って大活躍。米国との決勝戦で抑えとして登板し、トラウトを三振に打ち取って胴上げ投手になった。世界一連覇を狙う来春の大会でもフル回転を期待したいところだが、今回は常に故障を憂慮しながらプレーを見守ることになりかねない、というわけだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 8

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 9

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  5. 10

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較