「晩夏光」池田久輝氏

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 著者はこれまで、「グラス・マーケッツ」という朗読ユニットを主宰し、脚本を手掛けてきた。そして、ユニットのメンバーは女性ばかりだという。この環境が、作品にも影響を与えているそうだ。

<「男たちの群像劇としてのハードボイルド小説を書きたいですね」>

「女性にも好んで読んでもらえるようなハードボイルド小説を書きたいという気持ちがあるんです。男性が書く作品には、強烈なキャラクターの女性が登場することが多いですよね。とてつもなくセクシーだったり、男を癒やす女神のようであったり。でも、それって男の願望が形になっているだけで、そんな女性は実際にはいない(笑い)。女性が読むと違和感があるらしいです。だから、男性はもちろん女性にも、できるだけ感情移入してもらえる、リアルな、顔が見えるキャラクターを描いていきたいですね」

 すでに次回作に着手している。本作のキャラクターも、今後の作品に登場する予定だという。期待の新星の登場だ。
(角川春樹事務所 1600円)

◇いけだ・ひさき 京都府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。ウェブデザインなどの仕事をしながら、1998年、朗読ユニット「グラス・マーケッツ」を結成。“池田長十”名義で現在も活動中。2013年、「晩夏光」で小説家デビューを果たす。

【連載】著者インタビュー

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