宮城安総
著者のコラム一覧
宮城安総工作舎アートディレクター

1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。

創造神としての意気込みと覚悟

公開日: 更新日:

「凄い!ジオラマ」情景師アラーキー著

「スーパーリアルな模型」で現実世界を作り出す作家登場。帯には「情景師」とある。ジオラマ作家にして、カメラマン、執筆者、イラストレーターを兼ねる多才ぶり。ウルトラマンから宮崎駿まで、特撮モノやアニメの影響も隠さない。そんな著者渾身の「作品+解説」集。

 冒頭、著者のジオラマ観の一端が明かされる。

「日本にはミニチュアを楽しむ風習が昔からあり、盆栽文化はまさにジオラマそのもの……小さい物が大好きな国民ですから……」

 A5判、並製。本文は、表4色/裏1色。折丁にすると、カラーとモノクロの見開きが交互に並ぶ。この展開を利用した台割が奏功。つまり「作品写真→解説」のセットがとても分かりやすい。見て読む、愉しみ。具体的なノウハウを惜しみなく紹介しながら、ディテールに迷い込むことなく、平易で明快なプレゼンテーションになっている。

 さて、全編を貫くのは「無いものは創ろう」という「創造神」としての意気込みと覚悟だ。

「(映画のワンシーンではなく)映画のセットを再現したかった」「ジオラマの『リアルの追求』とはなにか」「影が出来るように凹凸をつくる『造型』と、光の反射や吸収を考慮した『質感』が重要」……等々。

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