「ノン・サラブレッド」島田明宏著

公開日: 更新日:

 197X年、府中の松崎厩舎に3歳の牡馬・ホーリーシャークが北海道から到着した。シャークには、明治時代に13戦で10勝した名馬ミラの血が流れているという。オーストラリアから輸入されたミラには血統書がなく、その子孫は純粋なサラブレッドとは異なるサラ系に分類される。

 飼育担当を命じられた厩務員の晴男は、気性が荒く、体つきも貧相なシャークと対面して一抹の不安を抱く。

 半世紀後、スポーツ紙で競馬面を担当する記者の小林に匿名の電話が入る。北海道の西ノ宮牧場の主が借金のかたに預けた血統書の中にミラのものがあったというのだ。詳細が分からぬまま北海道に飛んだ小林は、西ノ宮牧場の関係者が一家心中したことを知る。

 名馬の血統書をめぐる競馬史ミステリー。

(集英社 740円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「高校生を指名するのが怖くなった」…プロ球団ベテランスカウトが漏らす苦悩と本音

  2. 2

    自民・高市一派は衆院選28敗に終わる…全国サナエ行脚も虚しく「石破おろし」ご破算の目

  3. 3

    《中日》1位指名した金丸夢斗をパ全球団が“完全スルー”した裏に「カラダの問題」

  4. 4

    育成契約は嫌だった?ドラフトで名のある高校球児が軒並み指名漏れのカラクリ

  5. 5

    小泉進次郎氏サッサと選対委員長辞任…「すべて私が責任取る」で“泥舟からの逃亡”が真意

  1. 6

    岩井姉妹ワンツーフィニッシュでも「客離れ」に拍車…今季33試合のうち20試合がギャラリー減

  2. 7

    デーブ大久保さん(2)長嶋監督に「大洗を買いなさい」と勧められ「ゴルフ場も買えるんですね」と返したら…会員限定記事

  3. 8

    油を取ってスルスルやせる「MCTオイルダイエット」…実践した医師は2カ月で6キロ減

  4. 9

    阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」

  5. 10

    RADWINPS野田洋次郎に“泥酔飲み会”報道 ファンも失望させた表現者としての「ダサさ」