「ニッポン政界語読本 会話編・単語編」イアン・アーシー著

公開日: 更新日:

「ニッポン政界語読本 会話編・単語編」イアン・アーシー著

 政治家が、理解が得られないときに使う常套句が「粛々と」である。文例として「辺野古移設については安全性に留意をしながら、そこは粛々と進めていきたい、こう思っています」という菅義偉官房長官(当時)の発言が挙げられている。

広辞苑」では「粛々」は「つつしむさま」などの説明が載っているが、沖縄県民にとってはつつしむどころか、民意を踏みにじっているようにしか見えない。こんな進め方を的確に形容するには「粛々」の代わりに「ゴリ押しで」などが入りそうだ。(「会話編」)

 また、「原則として」は例外を無限に拡大するときに使われる。(「単語編」)

 ピンチを切り抜けるとき、役に立ちそうな会話術読本。

(太郎次郎社エディタス 各1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  3. 3
    明石家さんま“賞味期限切れ”危機…TV界に「つまらない」の声広がり“老害芸人”リスト入り

    明石家さんま“賞味期限切れ”危機…TV界に「つまらない」の声広がり“老害芸人”リスト入り

  4. 4
    NHK「日曜討論」で陰謀論炸裂のア然…政治改革は「自民の力を削ぐ政局」のトンデモ発言

    NHK「日曜討論」で陰謀論炸裂のア然…政治改革は「自民の力を削ぐ政局」のトンデモ発言

  5. 5
    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  1. 6
    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

  2. 7
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  3. 8
    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

  4. 9
    万博遠足の休憩所はガス爆発現場!大阪府が計画「児童・生徒 無料招待」でも真っ平ごめん

    万博遠足の休憩所はガス爆発現場!大阪府が計画「児童・生徒 無料招待」でも真っ平ごめん

  5. 10
    維新・馬場代表が自民に“助け船”で大炎上! 裏金事件の実態解明「無理じゃないか」発言の姑息な狙い

    維新・馬場代表が自民に“助け船”で大炎上! 裏金事件の実態解明「無理じゃないか」発言の姑息な狙い