たきつけられて…日劇でのマスターベーションは若気の至り
1969年暮れに頭脳警察を結成したロッカーのPANTAさん(71)は「世界革命戦争宣言」「赤軍兵士の詩」など政治色の濃い曲をライブなどでシャウトし、若者から熱狂的な支持を集めた。そのPANTAさんはロフトとの縁が深い。例えば「新宿ロフト」では82年9月10日と11日、83年12月の10日と11日、いずれも週末に2デイズのライブをやっている。もちろん大盛況。しかし、この「安定した動員力」が、ライブハウスの経営者をしてPANTAさんを「思い入れの少ないミュージシャン」にしてしまったのも事実だ。
――「客席に10人もいなかった山下達郎さん、桑名正博さん、サザンオールスターズ、RCサクセションら不人気バンドに肩入れしてしまった」
「日比谷の野音、三里塚・日本幻野祭でのライブなどで叫ぶようにして歌い、それがアジテーションになって<左翼のアイドル>になった」
――人気急上昇で親衛隊も出来た頭脳警察に、70年5月7日の「日劇ウエスタン・カーニバル」出演のオファーが届いた。