トマトと言えば「カゴメ」が圧倒的シェアを誇る理由 チューブ入りケチャップの元祖
8月31日は語呂合わせで「野菜の日」。カゴメが行った「野菜定点調査」によると、野菜好きになった人は子供の頃に栽培や収穫体験をした割合が高い傾向にあった。
カゴメは、長野県富士見町で「野菜生活ファーム」という体験型の野菜テーマパークを4年前から運営しており、最新技術を活用した野菜飲料の工場見学のほか、八ケ岳と南アルプスに囲まれた雄大な自然の中で旬の野菜の収穫体験や野菜を使ったワークショップなどが楽しめる。
そのカゴメは1908年にトマトケチャップの製造を開始し、1933年には日本初のトマトジュースも発売。ケチャップは発売当初は瓶詰で売られていたが、1966年に今ではおなじみとなったチューブ入りケチャップを世界で初めて発売し、これが大ヒットしている。そして、看板商品であるトマトジュースは今年で90周年だ。
しかしまあ、カゴメと言えばトマト、トマトと言えばカゴメを思い出すくらい浸透している。それには農家を大切にしてきた歴史がある。
「当社では『畑は第一の工場』という商品づくりの哲学のもと、1899年の創業以来、農家の皆さまと契約栽培に取り組んでいます。これは作付け前に取り決めた金額で、収穫されたトマトを全量買い取るという方式です。カゴメの『フィールドパーソン』と呼んでいる担当者が農家さんの畑を巡回しながら、ともにトマトを作り上げています」(カゴメ担当者)
農家にとっては、カゴメと契約すれば価格変動や廃棄の無駄を気にすることなく栽培に専念できるのが最大のメリット。こうしてカゴメは農家にも愛され、ケチャップ、トマトジュース、野菜果実ミックスジュースで国内ナンバーワンの会社に成長している。