孫子から学ぶ 子どもの才能をのばす「ほめ方」とタイミング
年齢で褒め方を変える
2~3歳ごろまでなら、何をしても「おりこうさん」「上手、上手」というほめ言葉でいいでしょう。しかし子どもが4歳、5歳と成長していくにつれて、自分なりの創意工夫が増えていきます。するとこれらのほめ言葉ではもの足りなくなりますから、4歳児以上には、自分が創意工夫したところ、自分なりの発想で考えたこと、作ったこと、描いたことをほめてあげる必要があります。とはいえ、これは非常に難しく、「独創的なところ」というのは親でもわかりにくいものです。
まずは、「これ見て」と言う子どもの話ににこやかに頷きながら、その自慢話に付きあってあげてください。子どもの自慢話に感心した表情であいづちを打ち、子どもが得意になって話す言葉を、そのまま子どもに返せばいいのです。
つまり「ほめる」というよりも、むしろ「共感する」「喜びをともにする」「一緒になって子どもの喜びを受け止める」ことです。すると子どもはますますうれしくなり、心がうきうき、わくわくして、その気持ちを話してくれるはずです。ほめることが大事とわかっていても、毎日が家事や育児で忙しく、ついその機会を逸してしまうことが多いものですが、子どもの「これ見て!」は、絶好のチャンスが向こうからやって来たのと同じこと。ぜひ、これを見逃さないようにしたいものです。
■忙しくても否定はしない
ただし、子どもは夕食の支度どきなど、親の忙しい時間に限って近寄ってくるものです。そんなときに「奇襲攻撃」を受けたとしても、「ママ、今忙しいんだから、あっちに行ってて。パパのとこに行ってらっしゃい!」と言いたいところをちょっとこらえて、「何を作ったの?」「何を描いたの?」と、積極的に子どもの話を聞いてあげるようにしてみてください。
もしもそんな余裕がないときは、子どもに話したいだけ話をさせます。それにあいづちを打つだけでかまいません。子どもがひととおり話し終えたら、そこで「それはすごいね。パパにもお話ししてあげて」と言ってみてください。パパに子どもの相手になってもらえれば、忙しいママは助かりますね。
大事なことは、子どものうれしい気持ちを「忙しいから、あとでね」「ここは、こうしたほうが良かったね」などという言葉で打ち消さず、「共感する」「喜びをともにする」という気持ちを持って接すること。パパにも、このほめるタイミングとほめ言葉のことをよく伝えておいてください。