田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

攻めの姿勢を崩さぬ高島屋「従業員ファースト」を貫く理由

公開日: 更新日:

 6月初旬の平日、日本橋高島屋をのぞくと「マスクの着用と手指の消毒をお願いいたします」の貼り紙はあるものの、検温などはなく、日常を取り戻していた。

 新型コロナウイルスの影響で営業の縮小が余儀なくされている百貨店大手で、もっとも攻勢を見せているのが高島屋だ。5月14日、玉川高島屋など3店舗で、これまでの食品売り場に加え、営業範囲を大幅に拡大。同18日に日本橋高島屋や大阪など8店舗で営業再開。同27日には国内全18店舗で全館営業を果たした。

「高島屋を支えているのは社員だけでなく、取引先の従業員もいる。彼らの生活が脅かされてはならないと、村田善郎社長は強調。安全面に十分、気をつけながら早い再開を模索していた」(中堅社員)

「村田さんは『お客さまは神様です』はもちろん、『従業員は神様』という発想ができる人」と話すのは、村田社長をよく知る高島屋OBだ。従業員ファーストの姿勢は労働組合での経験が大きい。

「2011年5月に柏店長に就く直前まで、村田さんは労組委員長を務めていた。それからわずか8年後に社長に就任するのですが、今でも労働環境には非常に敏感。こうした時期でも、取引先の従業員も含め労使関係がうまくいっているのは、労組時代に培われた背景があるから」(OB)

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