保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

田中角栄の評伝をどのような視点で書くのか。私は気づいた

公開日: 更新日:
15歳ごろの田中角栄。二田尋常高等小学校高等科2年卒業当時(中列左から2人目、1933年=昭和8年、新潟県刈羽郡二田村、後に西山町)/(C)共同通信社

 昭和という時代には32人の首相が誕生した。軍事と非軍事の時代、あるいは神権化した天皇と人間天皇の時代、さらには臣民と市民の時代、昭和20(1945)年8月を境に国家の存在も相反する理念の元で動いた。32人の首相もこの2つの時代にはそれにふさわしい資質、性格を持ち合わせていた。

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