疲労ピーク、起用にも疑問符 清宮「左膝痛で途中交代」の波紋

公開日: 更新日:

 一塁は中学時代からのポジション。西谷監督は清宮が守備からリズムを作って打撃の調子を上げるタイプだと承知していた。膝の状態がさほど深刻でないなら、勝手知ったるポジションを守らせることで打撃を復活させてやりたいという配慮があったようだ。

 この日の第1打席、二ゴロに倒れてトボトボと歩いていると、ベンチのある選手が「早く帰ってこい! デブ!」とスタンドまで聞こえるくらいの大声で叫び、ベンチ内は沸いた。

 練習中に転がってきたボールを蹴飛ばすなど1年生らしからぬ行動があった清宮にとって、打つ方で結果が出ない上、膝まで痛み出した。そこで先輩からドヤされれば立つ瀬がないように見えるが、それでめげるような選手ではなさそうだ。トボトボと歩くのは膝の違和感に関係なく、昔からの習性とか。調布シニア時代の恩師である安羅岡一樹監督は「打てないときは天を仰いで何かブツブツ言いながらベンチにノソノソ歩いて帰ってくることが多かった。よく『早くしろ!』と怒鳴りつけたものです」と振り返る。甲子園でも調布シニアの先輩で中堅のレギュラーだった3年の渡辺大地が、清宮に対して「しっかり走れよ」と注意していた。「早く帰ってこい!」という声は清宮にとってむしろ、必要なことなのかもしれない。

「アクシデントで途中交代することになったものの、ベンチから野球を見ることで気持ちを切り替えられることもある。もちろん膝の状態は心配ですけど、先輩のゲキが気持ちの面でいいクスリになってくれたらいいですね」とはチーム関係者だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

  3. 3
    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

  4. 4
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  5. 5
    阪神・岡田監督に「契約延長説」急浮上…勇退説から二転三転も、背景に夫人のサポート

    阪神・岡田監督に「契約延長説」急浮上…勇退説から二転三転も、背景に夫人のサポート

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  3. 8
    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

  4. 9
    「飲みィのやりィのやりまくり…」高市早苗氏がブチまけていた“肉食自伝”の衝撃!

    「飲みィのやりィのやりまくり…」高市早苗氏がブチまけていた“肉食自伝”の衝撃!

  5. 10
    野茂英雄氏と借金トラブル 元1億円投手の佐野慈紀さんは今

    野茂英雄氏と借金トラブル 元1億円投手の佐野慈紀さんは今