竜にサヨナラ負けも 今成3年ぶり捕手起用“金本決断”の価値

公開日: 更新日:

「ただ、当時は違うリーグから来てすぐに、ロクに投手とコミュニケーションを取ることができないままにマスクをかぶった。関西の評論家からはリードのマズさを指摘されたが、捕手は慣れが必要。指名打者のないセでは、打てる捕手は貴重。選手間でも、『見切りが早すぎる』という声もあった」(球界関係者)

 阪神OBが話を引き取ってこう言う。

「阪神は外様選手に冷たい風潮がある。今成はそういう意味で見切りをつけられやすい選手だった。しかし、『超変革』をチームスローガンに掲げる金本監督は、これまで選手にこびり付いた評価をいったん取っ払い、選手を色眼鏡で見ることはしない。過去3年で一軍出場が1試合だけだった捕手の岡崎を開幕スタメンに抜擢したこともしかりだよ」

 金本監督は以前、雑誌「文藝春秋」でのラグビー清宮克幸監督(ヤマハ発動機)との対談でこう言っていた。

「チームの新スローガンは『超変革』です。タイガースナインの意識はもちろん、親会社・阪神電鉄の考え方まで含めて、根本的に変えていこうという心意気を表したつもりです。今までの阪神と言えば、保守的、外野の声を気にし過ぎる、リスクを取らない……こうした風潮がどこかにありました」

 捕手として経験不足の今成を起用して負けたら、外野から批判を受けるリスクもある。しかし、親会社やフロントに染み付いた負の思考、体質にメスを入れるだけでも十分、価値はあるのではないか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  1. 6
    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

  2. 7
    元Kis-My-Ft2“辞めジャニ”北山宏光の大誤算…ソロコンサートのチケットが売れない!

    元Kis-My-Ft2“辞めジャニ”北山宏光の大誤算…ソロコンサートのチケットが売れない!

  3. 8
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  4. 9
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  5. 10
    岸田首相の起死回生策? 国会閉幕後に囁かれる「オールスター内閣改造」は成功するのか

    岸田首相の起死回生策? 国会閉幕後に囁かれる「オールスター内閣改造」は成功するのか