山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

通算100Hまであと6 巨人上原の名球会入りで考えた重大問題

公開日: 更新日:

 また、少し気の早い話かもしれないが、大谷翔平のような超レアケースは将来的にどうなるのだろう。たとえば日米通算で「100勝、1000安打」など投打それぞれで節目の記録を達成したら、それはもう金田正一の400勝に匹敵する、あるいはそれ以上の価値があると思われる。果たして、大谷は名球会入りできるのだろうか。

■ブランド力低下の印象

 しかし、それ以上に重大な問題は、大谷のような規格外の選手の場合はそもそも名球会入りなんてどうでもいいと考えていそうなところだ。ひと昔前なら名球会というのは多くのプロ野球選手の憧れであり権威でもあったのだが、近年はブランド力が低下した印象を受ける。日本球界で頂点を極めた先発投手が次々にMLBを目指すのも、日本で通算200勝を達成して名球会に入るということに魅力を感じていないからだろう。今や名球会はプロ野球選手の憧れではなくなったのだ。

 引退後のセカンドキャリアについても、近年は名球会の看板だけを武器に食っていくことが難しくなった。メディアで仕事をしていくなら、解説の鋭さやタレント性の高さが通算記録以上に求められ、指導者になるならコーチング理論なども必須になってくる。名球会が生活の保障につながった時代は今や昔だ。

 それに加えて、名球会のジャケットがなんとダサいこと。毎年恒例の名球会ゴルフも今やダサい感じがするし、組織自体に昭和臭が漂いすぎている。時代に適合できていないのは入会条件だけではないと思える、今日このごろである。

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