巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

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 今季を象徴するような、あっけない終戦だった。DeNAとのCSファーストステージに臨んだ巨人は、12日の第2戦で初回に5点を先制しながら、延長十一回の末、逆転サヨナラ負け。70勝69敗4分けでリーグ3位からの下克上を狙ったが、2連敗で今季の戦いが終了した。

「勝たせてあげたかった。総力戦で素晴らしい試合。敗戦の責任は僕にあるんで、選手は必死にやってくれたし、自分自身、何が足りなくて勝てなかったのか自問自答したい。とにかく来年にどうつなげるかが一番大事。自分自身も何が足りなくて勝てなかったのか、しっかり課題として自問自答したい」とは、阿部慎之助監督(46)。

 リーグ連覇を狙った今季は、先発陣のコマ不足に泣いた。山崎は11勝(4敗)を挙げたものの、最大の誤算は、CS第2戦で初回に5点の援護をもらった直後に一挙5失点で試合を振り出しに戻されたエースの戸郷だ。今季は2度の二軍落ちを経験するなど8勝9敗。若手の有望株だった左腕の井上も4勝8敗で、グリフィンの長期離脱も痛かった。

 投手陣の再整備、特に先発投手が補強ポイントとなる中、懲りない巨人は、またぞろ大補強に乗り出す。ターゲットは国内FA権を保有する中日柳裕也(31)とヤンキース傘下3Aスクラントンで今季を終えた元広島前田健太(37)。ダブル取りを狙い、水面下で行っていた調査を本格化させる。

 巨人が柳のFA補強に乗り出すことは、7月にすでに本紙が報じているが、「懲りないというか、毎年同じことの繰り返しですね」と巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)があきれ顔でこう続ける。

「昨オフに前年0勝の田中将を破格の条件(年俸1億6000万円)で獲得したが、今季3勝(4敗)。日米通算200勝は消化試合になった最後の最後に達成しましたけども、チームは一年を通じて田中に振り回された。事実上、自身の記録のために調整しているベテランが、長期間にわたって二軍の先発ローテで回ることで、若手の先発枠が削られていた。『全盛期を過ぎた元大物ベテラン投手』という共通点がある前田まで受け入れて、また同じことを繰り返すのか。柳にしても、最近は力が落ちていて、生命線の制球力にも陰りが見えます。阿部監督には契約最終年の来季こそ、腹を決めて生え抜きの若手を育成して欲しいと願うOBは、私だけではないはずです」

 その柳は2021年に最優秀防御率と最多奪三振の2冠に輝くなど、中日の中心投手として投手陣を引っ張ってきたが、今季は右肩痛もあって3勝5敗。近年は苦しいシーズンが続いている。

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