「夜行列車」森村誠一著
■ノンストップ長編旅情ミステリー
離婚後、信州に旅に出た医師の北里は、夜行列車で隣席の男から話しかけられる。中瀬と名乗った男は、1年前に信州に行くと言い残し消息を絶った娘の行方を捜しているという。数日後、北里は新聞で中瀬がひき逃げされ死んだと知る。中瀬は娘から聞いた樹齢800年のキンモクセイを見に行った帰りに事故に遭ったようだ。北里が、そのキンモクセイまで足を延ばすと、木の下に前夜泊まったホテルのパンフレットが落ちていた。北里の脳裏にホテルで見かけた不倫カップルの姿が思い出される。中瀬のことが気になり数カ月後、再びそのホテルに足を運んだ北里は、失踪した妻の行方を捜す十々木という男と会う。
巨匠によるノンストップ長編旅情ミステリー。
(光文社 500円)