日露“ゴマすり外交”の昨今 改めて振り返るロシアの今昔

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「私のロシア文学」渡辺京二著

 名著「逝きし世の面影」で知られた著者は中国・大連からの引き揚げ体験を持つ昭和ヒトケタ世代。若き日には共産党に入党した理想主義者だが、スターリン批判で離党。それでもロシア文学への愛着は深い。本書はドストエフスキーやトルストイ以外にもあるロシア文学の名著を著者なりの視点で語ったエッセー。

 チェーホフ、プーシキン、ブーニン、ブルガーコフなど19世紀の作家を中心に、明治から昭和40年代まで日本の若い世代を強く引きつけたロシア文学の魅力が語られる。ちかごろ見かけなくなった滋味あふれる昔気質の読書随想だ。(文藝春秋 1250円+税)


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