「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす」柴崎祐二著
「ポップミュージックはリバイバルをくりかえす」柴崎祐二著
常に「新しさ」を駆動力として進化してきたポップミュージックは、時代の最先端を映し出す、「新しい」ものと見られてきた。しかし、そうした「新しい」ポップミュージックの細部や周辺を検分してみると、そこには常に過去の音楽が再解釈され、新たな文脈とともに再生されるという現象が絶え間なく起きていることが分かるという。
なぜ「新しさ」を求めることで進化してきたように見えるポップミュージックの歴史において、このようなさまざまな過去の音楽の復権とそのブーム=リバイバルが繰り返されてきたのか。そして場合によっては、その最先端の潮流そのものを形作るような役割を担ってきたのか。
本書では、ロックの源泉として語られ、折々にリバイバルしてきたブルースにはじまり、フォークやカントリーからポップパンクまで、あらゆるジャンルの事例を取り上げ、ポップミュージックにおける過去の復権とリバイバルの様相を追いながら、過去の音楽に惹かれる我々の志向の背景に迫る音楽テキスト。
(イースト・プレス 2860円)