「君を育てる」 草野仁の礎をつくった元NHK羽佐間アナ

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「全体の技量を上げないと、放送界がよくならない」という考え方の持ち主で、私ばかりか九州全体のアナウンサーを集めて研究会のようなこともやっていました。野球の実況をそれぞれが1イニングずつ担当し、試合終了後に羽佐間さんが講評する。それも叱責はゼロ。「みんな、どう思う?」とか「あそこはこうした方がよかったんじゃないか?」という言い方で、各自の意識を高めようとしていた。それだけに羽佐間さんを慕う後輩も多く、当時は九州でも“一大勢力”になっていたと思います。

■直接渡された3代目のバトン

 次に羽佐間さんと一緒になったのは、私がようやく東京に上がってから。当時、羽佐間さんは「ニュースセンター9時」で2代目スポーツキャスターをやっていましたが、ある時、私が3代目のスポーツキャスターに指名されました。羽佐間さんは最後の放送の時、こう言ってくれました。

「来週からはキャスターがグッと若返りますが、皆さん、よろしくお願いします」
 私は「あ、師匠から直接バトンを頂いた。頑張らねば」と緊張したものです。

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