田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

ドラマで描かれないシーン 古関裕而は無類の愛煙家だった

公開日: 更新日:

 それが40本と聞いただけで驚くが、作曲する段になると、さらにその本数が増える。1本吸い終ったら、次のタバコに火をつける。1曲、仕上げるたびに50本入りの缶が空になってしまうというのだから、相当なヘビースモーカーだった。

 妻・金子(音=二階堂ふみ)からはたびたび、禁煙を勧められたが、古関の答えはいつも「そのうちに」。そして、「腸の中が燻製になっている。日本専売公社(現日本たばこ産業)から表彰されてもいいね」と笑い飛ばした。

 そんな古関も禁煙に踏み切る時が来た。1978年5月、突然、右下腹に激痛が襲った。医師から胆のう炎が疑われると言われ、15日間の入院を余儀なくされた。検査の結果、胆のうには異常はなく、呼吸器系も正常で、肺がんの疑いもないことがわかった。

 入院の最中、まったくタバコを喫わなかった古関は「この際だから」と一念発起。タバコをやめることを決断した。20歳の時に友人に勧められ初めてタバコを口にしてから、半世紀に渡り吸い続けた。

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