二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

当時34歳の桜田淳子を追って…“統一教会”の「合同結婚式」を直撃(1992年)

公開日: 更新日:

「文鮮明が選ぶ相手ならどんな人でもいい」

 私はグラウンドからスタンドに移り日本人女性を探した。この日に会った新郎が文鮮明教祖によって決められた結婚相手。女性の倍ぐらいの高身長の黒人男性もいれば、太った白人男性もいる。声をかけてみたが「うれしいです」と言葉は一様に少なめ。中には涙を流す女性もいた。

 式典終了後も取材は続いた。狙いは桜田に絞られた。宿泊先も杳として知れず。分散して宿泊している他の信者も話す者はいない。

 翌日は「ダメもと」で無謀といわれた文鮮明の自宅に直撃取材に出かけた。市内から車で15分ほどの小高い丘の高級住宅地に邸宅はあった。3メートルほどの大きな門からは屋根も見えない。門前に立った瞬間、いきなり3人の男が横の扉から出てきて、詰め寄ってきた。日本語の話せるタクシーの運転手に取材の旨を伝えてもらったが、まったく相手にされずに早々に退散。ソウル取材はさしたる成果もなく終わった。

 合同結婚式がクローズアップされたのは式の2カ月前、山崎が週刊誌に「文鮮明が選ぶ相手ならどんな人でもいい」と参加することを告白。桜田も続き、芸能記者も本格的に統一教会関連の取材に参戦することになった。

 桜田は14歳のときにオーディション「スター誕生!」(日本テレビ系)に出場。番組史上最高得点を獲得。獲得に乗り出した芸能プロはこれも最高となる25社。当初、森昌子のいる「ホリプロ」が有力だったが、「同じ事務所に偏るのは避けたい」という池田文雄プロデューサーの意見で「サンミュージック」に決まった。桜田は太陽のような明るさでトップアイドルの座に就いた。

「アイドル優等生」と評されスキャンダルも無縁だった。年を重ねると、アイドルから女優に転身。映画や舞台で活躍しだした頃に、合同結婚式参加。桜田34歳の時だった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  5. 5
    どちらが“将来の天皇”の注目度 愛子さまは園遊会で猫談義、悠仁さまは玉川大訪問が話題に

    どちらが“将来の天皇”の注目度 愛子さまは園遊会で猫談義、悠仁さまは玉川大訪問が話題に

  1. 6
    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

  2. 7
    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

  3. 8
    阪神・大山悠輔「4年16億円」争奪戦勃発に現実味…評価を押し上げた「目に見える数字」以上の価値

    阪神・大山悠輔「4年16億円」争奪戦勃発に現実味…評価を押し上げた「目に見える数字」以上の価値

  4. 9
    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

  5. 10
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽