“坂道系”は大打撃…コロナ禍の「アイドルの現場」を“プロヲタク”が深層リポート

公開日: 更新日:

 2020年初めの国内でのコロナ感染第1号、同4月の1度目の緊急事態宣言からおよそ2年。イベントや握手会などの“アイドルの現場”はどう変わったのか。年間150現場以上もアイドルイベントを取材し、“プロアイドルヲタク”を自任するアイドル評論家のブレーメン大島氏に聞いた。

■声出しNGで拍手のみ

「全体的に見ると、現在、アイドルイベントなどはコロナ前の7割くらいに戻ってきたという感じですね」

 ブレーメン大島氏はそう話す。20年4月に1度目の緊急事態宣言が発令された後は最悪で、大島氏も一時期は仕事がほとんどなくなったという。しかし20年夏ごろから、何度かのリバウンドを挟み、徐々に回復し、現在は、アイドル業界も“ウィズコロナ”の状態だそうだ。

「一番打撃を受けたのは、ドームなどコンサート会場の入場制限を受けた乃木坂46など“坂道系”や“AKBグループ”などのグループアイドルでしょうね。彼女たちは大箱でのコンサートが生命線ですから。20年10月に乃木坂のエース・白石麻衣の卒業コンサートを配信で行わざるを得なかったのが象徴的です」

握手会などの“接触系”は苦難が続く

 しかし21年に入ると、入場制限の緩和に伴い、中規模コンサートは復活したが、いまだに接触を伴う“握手会”などは復活していないという。

「それは地下アイドルも同じことで、握手などの接触はなし、チェキもワンショットのみやツーショットチェキでもアクリル板を挟む方法がほとんどです。もちろん、マスク&検温&手指の消毒は、お客さんも取材スタッフも必須。“接触系アイドル”はもうしばらく苦難が続くでしょう」

 一方、大島氏が主に週末にハシゴで取材しているのは、都内の書店などで行われるグラビアアイドルの写真集やDVD販売のイベント。“アイドルイベントの聖地”といわれる秋葉原の「ソフマップ」、同じく秋葉原の「書泉ブックタワー」、新宿の「福家書店」などだ。そちらの現場はコロナで何か変化はあったか。

「ソフマップは通常100人くらい入る会場ですが、入場制限でお客さんを半分くらいに絞っているようですね。盛り上げ上手な司会者のもと、水着姿の美女とトークやゲームなどを和気あいあいと至近距離で楽しめるのがウリでしたが、今はディスタンスをキープして、椅子に座ってのトークが中心。応援も声出しは禁止で拍手のみです。お客さんはみんなジーッと見ているばかりで、なんだか真面目なシンポジウムみたいな雰囲気になってますね」

巨乳系新人が多数デビューの背景

 しかし、アイドルファンはみな行儀がよく、マナーを守ってイベントを楽しんでいるという。

「イベントが再開されるようになると、取材する側も戻ってきました。取材はイベント前にするのですが、お客さんと接触できないので、客入れする前に撤収をせかされるようになりました。僕も含めて、カメラマンはみな高齢化していますから、あんまりせかされると大変です(笑い)」

 さらに大島氏はコロナ禍に取材を重ねる中で、変化を感じていることがもうひとつあるという。

「あくまで僕の感覚で、正確な本数をカウントしているわけではないのですが、ここ1年くらい、DVDのリリース本数は増えてきた感じがしますね。新人のデビューも増えている感じがしています。それも原つぐみとか花咲ひよりとか、巨乳系が多い感じがしますね。コロナでやっぱり男性は巨乳系に癒やしを求めているんでしょうか? しかし、ロケ場所は、海外はほとんどなくて、千葉とか伊豆とかが多いです。制作費を抑えつつ、量産しやすい状況にあるのかも知れません」

 大島氏は、ファンもアイドル自身も安心してコンサートやイベントを楽しめる日が一刻も早く来て欲しいという。22年こそ、コロナを完全に乗り越えられることを願うばかりだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    青井実、膳場貴子、有働由美子…元NHK3アナ新番組1カ月半で見えてきた「三者三様の課題」

    青井実、膳場貴子、有働由美子…元NHK3アナ新番組1カ月半で見えてきた「三者三様の課題」

  2. 2
    「月1万円生活」は今や昔…180度変化した大谷の金銭感覚 25億円別荘の次は12億円豪邸購入

    「月1万円生活」は今や昔…180度変化した大谷の金銭感覚 25億円別荘の次は12億円豪邸購入

  3. 3
    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

    苦労人の巨人元ドラ1堀田賢慎「5年目の覚醒」はなぜ起きた...背後にいる5人の重要人物

  4. 4
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  5. 5
    大阪万博会場「ガス爆発事故」では天井も破損していた!シレッと追加被害公表の無責任体質

    大阪万博会場「ガス爆発事故」では天井も破損していた!シレッと追加被害公表の無責任体質

  1. 6
    ダルビッシュ「サイドスローで日本ハム復帰」の可能性...かつて本人が語った“最悪最後、中継ぎも面白い”

    ダルビッシュ「サイドスローで日本ハム復帰」の可能性...かつて本人が語った“最悪最後、中継ぎも面白い”

  2. 7
    ドジャース大谷が「12億円豪邸」を購入したワケは? 通勤や将来の子育てに最適の声も

    ドジャース大谷が「12億円豪邸」を購入したワケは? 通勤や将来の子育てに最適の声も

  3. 8
    仲野太賀を絶賛する父・中野英雄 2人の父子共演を阻むのか? “絶縁宣言”後も付きまとうイメージ

    仲野太賀を絶賛する父・中野英雄 2人の父子共演を阻むのか? “絶縁宣言”後も付きまとうイメージ

  4. 9
    【静岡県知事選】岸田自民“討ち死に”濃厚、不可解な「情勢調査」とチラつく菅前首相の影

    【静岡県知事選】岸田自民“討ち死に”濃厚、不可解な「情勢調査」とチラつく菅前首相の影

  5. 10
    高橋一生を落とした森川葵 「公開告白」の意外なメリット

    高橋一生を落とした森川葵 「公開告白」の意外なメリット