羽生結弦は“相手の幸せのため”と…離婚の裏に見え隠れする古くて新しい「家庭のオンリーワン問題」

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台所、風呂、トイレなどがトラブルの元

 一般の人が取材攻勢に疲弊して離婚することはなくても、家族や親友の反対を押し切って結婚したもののやっぱりダメだったということはあるだろう。そんなケースを含めて、離婚の現実について山崎氏に聞いた。

「昔のような見合い結婚ではなく、今は恋愛結婚が主流で、マッチングアプリも急速に普及しています。マッチングアプリだと、相手に望む条件や生活スタイルなどを細かく設定しますから、本来、2人の相性は悪くないはずですが、それでも時には離婚になります。好相性なはずの2人に溝が生じるのは、性格の不一致というより、“生活”の不一致です。好相性で恋愛を重ねても、一緒に暮らしてみないと見えない、分からない部分は少なからずあります。キッチンをはじめ家庭の中に1つしかないものは、その使い方などで溝が生じやすいのです」

 なるほど、共働きや育児などで家事の分担がテーマになると、頭を悩ませるのは概して食事の準備だろう。一般家庭でキッチンは1つがほとんどだろうから、相手の使い方が気に入らないとケンカの種になりかねない。1回のケンカでお互い歩み寄って折り合いがつけば問題ないが、そうでないと、どちらかがガマンしてイライラを募らせるか、虫の居所が悪くなるたびに衝突するか。

「同じ理由で冷蔵庫や電子レンジ、トイレ、洗面所、お風呂などもトラブルのもとになります。使い方が汚かったり、雑だったりすると、キレイ好きな方がイライラしますが、突き詰めると衛生意識の差。家庭にあるオンリーワンの家具や場所は、そんな意識の違いを浮き彫りにすることで、夫婦の溝を少しずつ深めるのです」

 日本人は世界的に衛生意識が高いといわれる。そこにコロナ禍の経験が重なり、手洗いや消毒はそれまで以上によく行われるようになっているだけに、衛生意識の差は“火種”になりやすい。すべての家庭にあるオンリーワンが突きつける夫婦間の衛生意識の差は、実は古くて新しい問題だという。

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