主力の阿部放出、ベテラン右腕涌井を獲得…電撃トレードを仕掛けた中日・立浪監督の狙い

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 昨15日、中日の阿部寿樹(32)と楽天涌井秀章(36)のトレードが成立したと、両球団が発表した。

 阿部は今季、打率.270、9本塁打、57打点。本塁打と打点はビシエドを除けば、チームの日本人選手トップの数字だ。さらに内外野どこでも守れる器用さもある。

 一方、涌井は最多勝4回の通算154勝右腕。もっとも、近年はイマイチで、昨季は21試合中17試合で先発し、防御率5.04。今季は打球によるケガもあり、10試合で4勝3敗、同3.54。一見、復活したように見えるが、投高打低が顕著な今季、涌井の数字は、パ6球団のチーム防御率以下だった。

 涌井の野球に取り組む姿勢、練習量や態度、後輩の面倒見などは誰しもが認めるところとはいえ、阿部と釣り合うかどうか。ただでさえ、今季の414得点はリーグ最下位。阿部放出で貧打が加速しかねない。

 ある中日OBは「立浪監督なりの思惑があるのでしょう」と、こう続ける。

「今年の日本ハムではないけど、来年1年はほぼ育成一本でやっていくつもりではないか。どこでも守れるベテランの阿部は使い勝手が良すぎて、チーム状況や作戦に関わらず、スタメンで出場することになる。ならば、あえて穴を空けて若手の成長を促そうという意図でしょう。中日は2019年ドラ1の石川(21)や、21年1位のブライト(23)、2位の鵜飼(23)など、将来性のある野手が少なくない。涌井を欲しがったのも、投手陣のお手本になるからではないか」

 楽天の石井監督は「今回のトレードは、中日さんから『涌井とトレードしてくれないか』と話があり、その中で阿部選手の名前が出た」と明かした。

 立浪監督の計算は吉と出るか凶と出るか……。

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