【特別インタビュー】ヤクルト高津臣吾監督「育てながら勝つ」ための組織マネジメントを語る

公開日: 更新日:

「そりゃあ、行きたいと思うでしょう。メジャーは世界の中のトップ。そこを目指すのは当然なのかなと思います。彼の素直な気持ちなんだろうなと受け止めましたね」

 2022年シーズン、セ・リーグ連覇を達成したヤクルト高津臣吾監督(54)がこう言った。史上最年少で三冠王を獲得、日本人最多の56本塁打を放った村上宗隆(22)が22年11月、メジャー挑戦への思いを口にしたことを受けてのものだ。

■三冠王・村上の素顔と期待

 村上との関係は入団1年目(18年)、二軍監督時代から始まり、不動の4番に成長する過程を見守ってきた。当初から伝えてきたのが「プレッシャーや恐怖心を感じて小さくまとまらないでほしい」ということだ。

「4番ですから、どっしり構えて、打とうが打つまいが相手にプレッシャーをかけられる存在でないといけないと思っています。ムネとはいろんな話をしてきましたが、今はあまり野球の話はしないですね。『何食べた?』とか『よく寝られた?』とか、たわいもない話がほとんど。結構、グイグイ来るタイプなので、こちらとしても会話が続く。自分の言いたいことも主張するし、それでいていろんな気遣いもできる。試合では常にプレッシャーを感じざるを得ない立ち位置にいますが、全員がこの重圧を感じられるわけではない。重圧をプラスにするか、潰れてしまうかは本人の気持ち次第。でも、それに耐えられるだけの根性もありますよ、彼は」

■真の4番打者に

 村上には「真の4番打者」になってほしいと思い続けてきた。日頃の練習態度や試合に取り組む姿、チームメートへの気遣いなど、あらゆることにおいて「周りの人たちに好影響を与えることができる存在になってほしい」と言う。

 23年3月のWBCでは日本代表の4番として期待されている。23年シーズンも絶対的な4番として、信頼を置く。

「4番なので、常にゲームに出続けることが最低の仕事でしょう。相手があることなので、いい数字が残るか残らないかはわからないですけど、しっかり4番として全試合に出続ける精神力と体を充実させて、23年をスタートさせてほしい。それだけです。もちろん本塁打を打ってほしい、凄い数字を残してほしいとは思いますけど、ゲームに出ていれば、自然とそうなりますよ」

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