低予算ながら勝ち続けるレイズの手法「育てた選手を若い才能と交換」 下部組織も戦力充実

ドジャース編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏（Ｃ）ロイター／USA TODAY Sports

　勝てるチームと、勝ち続けることのできるチーム。

　選手の移籍が当たり前のように行われ、好成績を残した選手の年俸が高騰する昨今、この2つの目標を達成することは容易ではない。高騰する選手年俸に見合うだけの財布を持たないチームにとってはなおさらだ。

　そこへいくと、低予算ながら毎年のようにプレーオフに進出しているのがレイズ。これまでこのコラムで何度も書いてきたように、お金がない分、頭を使ってチームをつくり続けている球団である。

　的確なスカウティングとデータを活用することによって選手を獲得、育成する。そうして育てた選手を、年俸が高騰するとトレードなどでさらに若い才能と交換しながら、チーム内で「勝つ戦力」を循環させ続ける。

　試合では投手が相手打者と何度も対戦することを避けるため、データに基づく継投や相手投手とのマッチアップを考慮して日々打順を組み替えるなど、相手に対する優位性を常に意識した戦力を用いて勝ち星につなげている。遂行するのは選手たちだが、その後ろにそうしたチームをつくり上げる頭脳があることは確かだ。