山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神金本監督には普通の新米監督に適用されない評価基準が

公開日: 更新日:

 よって、金本監督の結果はそこまで悪くないという見方もできる。3年前、監督就任当初のキャンプやオープン戦で「超変革」を掲げ、無名の若虎たちを次々に起用した金本阪神の活気あふれる姿を思い出す。あのころの興奮は、まぎれもなく金本監督の功績だった。

 ただし、それは普通の新米監督に求められる評価基準であって、金本監督の場合は少し状況が異なる。彼は選手編成やコーチ人事などにも影響力を有する、いわゆる“全権監督”に近かったという。昨オフ、当時の掛布雅之二軍監督が辞したときは、金本監督との指導方針のちがいが一部マスコミを通じてクローズアップされ、あたかも金本監督がミスタータイガースに大ナタを振るったかのような印象を与えた。

 こういった背景を考えると、その強権に見合った厳しい評価基準が適用されるのは世の道理であり、だから今回の辞任もやむなしという結論にたどり着く。要するに金本監督は、いや彼を三顧の礼で迎えた阪神球団は、本来は寛容に見るべき新米監督に対してハードルを高く上げすぎたのだ。

 だいたい新米監督に三顧の礼って、今振り返っても変な話であった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?