山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

貧弱打線だった阪神が田中将大と涌井秀章に土をつけるとは

公開日: 更新日:

■出来過ぎて怖い?

 そんな豪華な先発ローテの中にドラフト1位のルーキー左腕・早川隆久が堂々と入りこみ、チームトップの7勝を挙げているのだから、ベテラン頼みのチームというわけでもない。リリーフ陣に目を向けても、MLB帰りのベテランサブマリン・牧田和久が渋い働きをしている一方で、かつての大物ドラ1右腕・安楽智大が、くだんの故障禍(詳細割愛)を克服して、ようやく自分の居場所を見つけつつある。さらに試合を締めくくるのは、今や押しも押されもせぬ球界屈指のクローザー・松井裕樹。彼もまた、かつての大物ドラ1左腕だ。

 なんとも理想的な投手編成である。生え抜きの若手や主力と、ベテランの大物補強が、ここまで見事にかみ合ったケースも珍しい。これでパの首位を走っているわけだから、そんな楽天阪神が3連勝するなんて、できすぎて怖いくらいだ。

■ビッグネームだらけの楽天に3タテ

 とりわけ、涌井秀章田中将大といった名の知れた大投手と、新生タイガースの中軸を打つ生え抜き大砲の大山悠輔佐藤輝明、外国人大砲のマルテやサンズの対決はワクワクした。一昔前の貧弱打線時代なら、こういう大投手が出てきた時点で、なんというか名前負けみたいな感じがして簡単に抑え込まれていたものだが、今はちがう。あの涌井からマルテが逆転ツーランを放ち、あの神の子・田中マーくんに大山とサトテルが強烈な一発を浴びせたのだ。

 しかも、涌井と投げ合った阪神先発の青柳晃洋と、同じくマーくんと投げ合った伊藤将司がいずれも好投して勝ち星をつけるなど、特に初戦と2戦目は虎党にとって最高の試合展開だった。さらに3戦目も接戦を制するなんて、なんだか本当に怖くなってきた。

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