森本毅郎85歳 今も毎日生放送!
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【27.強者たち】テレビに熱気があふれた時代の人材流出が残念だ
1997年から8年続いたフジテレビ日曜夜10時からの情報番組の中で、特筆すべきは特集のコーナーを担当した制作会社「フォーティーズ」の存在である。彼らの放った作品は次々とヒットを飛ばし、番組の特徴を決…
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【26.小さなコップの中の政治】石破退陣劇を憂う…茶番というより薄気味悪かった
石破首相が退陣を表明した。参院選の敗北から50日、自民党内の権力闘争の第一幕の決着である。参院選で自公が少数与党となってからも私どものラジオ番組では石破氏の辞任を要求する声は常に高くなかった。敗因は…
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【25.60歳からの挑戦】フジテレビには二十数年前の熱気と絆を思い出して欲しい
フリーになった時には自分で60歳定年制を実践しようと考えていた。サラリーマンと同じように60歳で仕事に区切りをつけて、後はのんびり好きなことをして余生を過ごせれば、とりあえずフリー転身は成功と言える…
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【24.オマールの壁】イスラエルの横暴を黙認すれば民主主義の敗北である
イスラエルとパレスチナの2カ国共存など絵に描いた餅ではないかと思わせる動きが加速している。イスラエルはガザ制圧とヨルダン川西岸への入植地拡大という2軸の戦略を矢継ぎ早に打ち出した。 イスラエ…
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【23.母の録音】毒舌だった母の静かな最期の潔さ
私の母は90歳で亡くなるまで気丈さを失わない強い人だった。父が亡くなった後、長兄の家で暮らしていたが、退屈すると私に電話がかかる。 「お見限りだねえ。電話一本かけられないほど忙しいのかい」──…
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【22.父の夢】終戦の日に庭のサルビアを引き抜いた父の背中
世田谷区喜多見町の小さな借家で迎えた終戦の日、ラジオから流れる玉音放送を聴き終わった父は黙って庭に下り立つと、大事に育てていたサルビアの花を一本残らず引き抜いてしまった。食糧難で狭い庭に育てるトマト…
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【21.ガリヴァーの警告】慈悲も共感もない世界はやがて自ら滅ぶだろう
18世紀、アイルランドの作家ジョナサン・スウィフトが書いた「ガリヴァー旅行記」は童話としてお馴染みだが、実はしたたかな計算のもとに出版された大人向けの社会批判の書である。スウィフトは、船医レミュエル…
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【20.真珠】かつてのレギュラー、詩人・荒川洋治さんの世相への挑戦
TBSラジオ「スタンバイ!」は35年も続いた番組だから番組の構成や出演者にもいろいろ変遷があった。そもそも当初は6時台にはナショナル(パナソニック)、7時台には日産、8時台にはトヨタと中核になるスポ…
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【19.そして神戸】アナウンサーなのに電波のない局へ転勤
私はNHK神戸放送局の初代アナウンサーである。神戸局には記者や営業の人たちは以前からいたが自前の電波は持っていなかった。ところが1970年3月、FM放送を開始することになり、アナウンサーが初めて必要…
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【18.兵士の休息】暇を持てあまし外国人バーで女性たちとダイス遊び
私が岡山から佐世保放送局へ転勤した1968年、佐世保を舞台に激しい反核闘争が繰り広げられた。その年の1月19日、佐世保港にアメリカ海軍第7艦隊の原子力空母エンタープライズが入港した。寄港反対派は「佐…
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【17.怒れる若者たち】アナウンサーになったのは「優」が足りなかったから
元々、私はアナウンサーになりたかったわけではなかった。大学時代は音楽や芝居に夢中で授業もサボりがち。近所に住む級友が親切に我が家に訪ねて来ては「試験、近いですよ。これ、お貸しします」と、ノートを持っ…
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【16.そこのけ、そこのけ、アメリカが通る!】強者の論理が正義となれば世界はどうなる
イスラエルとイランの停戦がとりあえずは実現した。とはいえ、両国の不信感が払拭されたわけではなく、イランの核開発をめぐって、いつ戦闘が再燃するか分からないという薄氷の合意だろう。 今回の衝突で…
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【15.徒手空拳】世の中の成り行きを耳で見たい
ラジオの「スタンバイ」が9000回を迎えた去年の秋、番組が記念のパーティーを開いてくれた。 六本木の国際文化会館には、番組スタート当時からの出演者やスタッフなど130人も集まって賑やかな会と…
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【14.現場にアタック】9000回の放送で声をかけたのは実に2万5000人
「汽車を待つ君の横で ぼくは時計を気にしてる」 大ヒットしたイルカの「なごり雪」が流れ始める。そしてリポーターの近堂かおりさんのコメント。 「歌のタイトルと同じく今週、都心で雪が降りまし…
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【13.決心】長嶋茂雄さんが語った「守備の神髄」
去る6月3日、長嶋茂雄さんが亡くなった。私より3歳ほど年長だが、同時代を生きてきたという思いが改めて強まる。 訃報の翌日、朝のラジオでも話したのだが、私の部屋には長嶋さんから贈られた色紙があ…
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【12.クロンカイトの危惧】米CBSニュースCEOの電撃辞任は対岸の家事ではない
この5月、アメリカCBSニュースのCEO、ウェンディ・マクマホン氏が電撃辞任する事態となって波紋を呼んでいる。辞任の背景は大きく2つ。1つはトランプ政権との確執である。昨年、まだバイデン政権時代にハ…
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【11.ヤッコさん】聴き上手から読み手のエキスパートへ
朝のラジオ「スタンバイ!」では番組始まって以来、遠藤泰子さんとコンビを組んでいる。35年も変わらず、2人とも80代というのはギネスものだね、と揶揄されるから言っておくが、アメリカにはもっと長いコンビ…
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【10.話す力、聴く力】言葉には武器にも勝る力がある
新たな教皇レオ14世の就任ミサがバチカンのサンピエトロ広場で開かれた。ミサの終わりに「戦争で荒廃したウクライナは、公正で永続的な平和のための交渉を待っている」と、寄り添う姿勢を見せたが、これから先、…
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【9.なっちゃん】フジテレビのお偉方に「小島奈津子起用」を直談判
なっちゃんこと小島奈津子さんとの付き合いも長くなった。フジテレビの日曜夜の情報番組「スーパーナイト」でコンビを組んだのが最初だから、もう28年も前のことになる。当時、小島さんは「めざましテレビ」の総…
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【8.お引っ越し】若者シフトに抵抗し、大人のための番組をつくりたい
「噂の!東京マガジン」が地上波からBS-TBSに移って丸4年が過ぎた。時の経つ早さが恐ろしい。80代の半ばともなればいつお迎えが来るか分からないからだ。地上波で番組が終わった時、「これまで都市再開発や…