新宿梁山泊『海底骨歌』棄民された「骨」たちへの鎮魂と贖罪
事故の犠牲者、朴(二條正士)、金城(原佑宜)、武井(藤田佳昭)の3人と、北海道北炭夕張炭鉱の骨・知里(宮澤寿)、常磐炭田磐城炭鉱の骨・坂田(柴野航輝)、田川方城炭鉱の骨・近藤(反町鬼郎)、信濃川で虐殺された朝鮮人・金賢哲(大久保千代太夫)の骨だ。
沖縄、アイヌ、朝鮮人、そして日本人労働者……。いずれも日本の近代化と戦争遂行を底辺で支えながら不当な差別や過酷な労働で命を落とした人々だ。忘却のかなたから呼び出された彼らが語る身の上話は冗舌で猥雑で“生”の喜びに満ちている。
一方、「刻む会」の代表・井上陽子(水嶋カンナ)は、会の活動を知った幼なじみの国本春子(小谷佳加)から手紙を受け取る。春子は実は在日朝鮮人で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への帰還運動で北に渡ったものの、祖国の現実に失望し、韓国に密航。祖父が長生炭鉱の犠牲者だと知ったという。
物語は「国家」によって捨てられた7体の「骨」たちの回想と、「刻む会」の活動とを往還しながら、歌と踊りでつづっていく。無政府主義者・朴烈と共に大逆罪で死刑宣告を受けた金子文子の魂をも召喚する作者・趙博の「悲しみと怒り」の思いを、金守珍が熱いたぎりを込めて血肉化。大量の水を使ったスペクタクルな演出も相まって、叙情と鎮魂の音楽劇に昇華した。


















