萩本欽一〈54〉「桃屋」がスポンサーになった奇跡の裏側と「テレビの常識を覆した独自のスポンサー論」
作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。
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増田「ところが半年が近づいても『9階のハギモトさん』のスポンサーは現れなかった」
萩本「そう。それで、これも何かの縁かなと思って、俺、電話しちゃったの」
増田「桃屋の社長に?」
萩本「そう。『スポンサーが絶対に損をしないテレビっていうのをやってるんです』って話したの。そうしたら『ああ、面白い話をありがとう』って言って電話を切った。それだけ」
増田「その場で『スポンサーになります』ではなかった」
萩本「何にも言わない。ところがそのあと桃屋さんが日本テレビへ行って、今までの番組を全部取り寄せて見てくれたんです。それで専務さんたちも見て、『本当にこういうことをやってるのか』って話になった」
増田「会社できちんと検討してくれた」
萩本「それで『4月から本格的にスポンサーをやりましょう』ってなったの」
増田「道端の偶然から始まって」
萩本「だから運なんですよ」
増田「桃屋がスポンサーについて、3分だった番組が30分になった」
萩本「ほんとは1月からでもいいって言ってくれたの。でも私が嫌だったの」


















