日本人の大腸が危ない! 調査で明らかになった日本人の「大腸劣化」の『実態と認識』のギャップ

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 近年の医学的な分野でも、大腸が全身の健康に大きく関わっていることが次第に明らかになってきた。それだけに、日頃から大腸のケアをしっかりすることが何よりも大切なのだが、実はここ数年、日本人の大腸に危険信号が点っているのだとか。

 というのも日本人の「大腸劣化」が年を追うごとに深刻化しており、大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など大腸に関するさまざまな疾病が増加しているからだ。では、その「大腸劣化」はどのようにすれば把握できるのか。そのヒントは読者のみなさんがおそらく毎日嗅ぐであろう、ある“におい”にあった。

おならのニオイは「大腸劣化」のサイン?

 日本人の新たな健康課題である、「大腸劣化」の認知を広げ、毎日の生活の中で対策に取り組んでもらうことを目的に、大腸に関する医療・学術専門家で組織された「大腸劣化」対策委員会では、全国の20代~60代1000人を対象に「大腸劣化に関する意識・実態調査」を行った。

 調査によると、「毎日のように下痢が続いている」(53.1%)、「オナラが臭い」(47%)といった悩みを抱える男性が多数いることが明らかになった。また、妻のオナラやトイレのあとを臭いと思っている夫が33.2%なのに対し、夫を臭いと思っている妻は60.1%もおり、ただでさえお通じ自体に悩んでいる上に、そのお通じで家族関係にまで悩みが広がってしまうのは、男性としてはとても頭が痛いものだ。しかし、実はそのニオイ、家族関係だけでなく、自分の健康問題にも大きく関係しているかもしれないのだ。というのも、便・オナラのニオイが臭いのは「大腸劣化」のサインだからだ。

実は「全身の健康の要」である大腸

「大腸劣化」とは、偏った食生活や睡眠不足・ストレスなどで腸内細菌の構成バランスが崩れ、大腸本来の機能が衰えることで、全身の健康リスクが高まっている状態のことである。最近日本人の間でますます進行していると考えられている課題なのだ。

 では、「大腸劣化」が進行することによって高まる健康リスクとは、どのようなものなのだろうか?

 近年の科学の進歩で大腸に棲息する細菌の集まり「腸内フローラ」の研究が進歩したことにより、大腸内の腸内細菌と健康状態は密接に関係していることが明らかになった。これまではあまり大腸とは無関係だとされてきた肥満や糖尿病、心疾患、がん、アレルギー、感染症などの病気は全て腸内フローラが深く関与していたのである。

 つまり、加齢や食生活の乱れ、不規則な生活、ストレスなどによって腸内フローラのバランスが乱れ大腸が劣化すると、全身のさまざまなトラブルや病気を引き起こすというわけだ。すなわち、大腸は全身の健康の要なのだ。

 にもかかわらず、大腸は消化管の一番奥に位置するため、老廃物や毒素が集まりやすい場所であることもあって、最も病気になりやすい臓器の一つといわれている。しかも最近では、過度な炭水化物抜きダイエットの流行やさらなる食の欧米化などによって食べ物を腐敗させる悪玉菌が増えやすい状況になり、日本人の大腸を取り巻く環境はますます悪化。日本人の大腸劣化がさらに進んでいるというから事態は深刻だ。

 さらに、最近の研究では脳と腸が相互に影響し合っていることも明らかになり、記憶やメンタルとの関係性も示されるようになった。

 しかし、先の調査では、「大腸劣化」と聞いてイメージする心身のトラブルに関して、「認知症」(7.1%)「うつ」(10.6%)「物忘れ」(4.4%)など脳と関連のあるトラブル・病気の回答がいずれも少なかった。また、「大腸劣化」と聞いてイメージする心身のトラブルや病気は何かを聞くと「大腸がん」(61.3%)が最も多く、以下「便秘」(51.5%)「下痢」(49.6%)の順となった。このことから、大腸と脳の関係についてはほとんどの人が知らず、まだ大腸は便を形成するだけの器官とのイメージを持っている人が多いことが伺えた。

 ⇒「大腸劣化」について詳細を見る

今注目の物質「短鎖脂肪酸」

 こうやって話を進めてくると、誰しもが大腸劣化を何とかして食い止めたい・改善したいと思うのも当然だろう。

 最近、そのカギとなるものとして研究者の間でも注目度が高くなっている物質がある。それが「短鎖脂肪酸」だ。

 短鎖脂肪酸はいわゆる善玉菌の中でも、ビフィズス菌をはじめとする、大腸にすむ腸内細菌によって、大腸の中で作られる。腸内の悪玉菌の活動を抑え、有益な腸内細菌の働きを助ける他、抗炎症作用や肥満抑制、全身のエネルギー源となるなどさまざまな働きをするスーパー物質だ。

 しかし、先の「大腸劣化に関する意識・実態調査結果」を見ると「短鎖脂肪酸が大腸の環境をよくする」と回答した人はわずか7.8%しかおらず、その認知率はかなり低いというのが現状だ。

大腸ケアは正しい知識とやり方で。ポイントは菌とエサ

 さらに問題がある。

 というのは、腸内細菌が代謝産物として短鎖脂肪酸を産み出すためには、食物繊維をエサとして取り入れなければならないのだが、先述の食習慣によって、最近の日本人の食物繊維の摂取量は年々減少。2015年の調べでは全世代の摂取量の平均は14.5gで、食物繊維の摂取目標量を4~5gも下回っているのだ。

 加えて調査結果では、短鎖脂肪酸を産み出すのに欠かせないビフィズス菌を「乳酸菌の一種」だと誤解している人が7割以上もいるが、ビフィズス菌と乳酸菌は全くの別の菌である。棲む場所の違い(ビフィズス菌は主に大腸、乳酸菌は主に小腸)等、異なる点は多々あるが、特筆すべき違いは、乳酸菌は先の短鎖脂肪酸を産生しない点にある。しかしながら、混同してしまっている人が多いため、実際に大腸ケアをしている人の中には、ビフィズス菌ではなく乳酸菌を摂ることで満足してしまっている人もいるようだ。

 そのビフィズス菌は、乳酸菌同様主にヨーグルトを食べることで摂取できるが、全てのヨーグルトに入っているわけではない。ビフィズス菌が入っているヨーグルトには必ずその旨が記載されているので、大腸ケアのためなら、ヨーグルトを買う際はぜひビフィズス菌入りの表示の有無を確かめたい。

 日頃から大腸に気を遣いケアをしっかり心掛けていても、間違った知識ややり方でやっていては何の意味もない。

 大腸の劣化を防ぐためには、

●大腸内に短鎖脂肪酸を増やすこと。
●短鎖脂肪酸を産み出すビフィズス菌などの善玉菌を摂取すること
●善玉菌のエサとなる食物繊維をしっかり摂ること。
●ヨーグルトなどで摂取する時は「ビフィズス菌入り」の表示を確認すること。


 少なくともこの4点だけは忘れないようにしたいものだ。

⇒「大腸劣化」の予防と対策について詳しく見る

【提供】「大腸劣化」対策委員会

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