横浜高では「100試合に1回」のプレーまで練習させてきた。たとえば…
甲子園で勝つためには何をして、どう戦えばいいのかーー。横浜高校(神奈川)在任中に春夏通算16度の甲子園で3度の優勝に導いた元野球部長の小倉清一郎氏が本紙で連載した2011年7月の「鬼の遺言」から24年12月の「鬼の秘伝書」までの通算13年半、計400回を超える「鬼」シリーズの中から「甲子園での勝利」につながる回を厳選して再掲載する。
今回は【実際に教えてきた100試合に1度のプレー】について。
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100試合に1回しか起こらないようなプレーでも教えたい。
例えば無死もしくは1死一、三塁の守備で、バックネット近くにファウルフライが飛び、捕手が捕った場合。もし一塁走者がタッチアップしたらどう対応すればいいか。
まずはマウンド周辺、やや本塁よりに二塁手か遊撃手が走る。飛球が一塁側なら二塁手、三塁側なら遊撃手。中継しない方は二塁へ、投手は本塁のベースカバーに入る。まず捕手は低くカットマンに投げる。ダイレクトで二塁へ送球するなんて言語道断。直接投げれば、送球の軌道が高くなり、三塁走者が生還しやすくなってしまう。